基幹処理場が完成 越国ハノイ市 下水道整備PJ、完工式を開催 マイクリップに追加
管きょも年内に一部完了
日本の支援によりべトナム国ハノイ市で進められていた下水道整備プロジェクトが一つの節目を迎えた。事業の基幹施設であるエンサ下水処理場がこのほど完成し、19日には両国政府関係者らが出席の下で完工式が開かれた。
国土交通省では、平成22年のベトナム国建設省との下水道分野の技術協力に関する覚書の締結以降、政府間会議・技術セミナーの開催などを通じ、同国における下水道分野のプロジェクトを支援してきており、今回もその一環。総事業費は約670億円で、うち約284億円が円借款。
ハノイ市エンサ下水道整備事業は、市中心部西側のトーリック川、中心部に近いルー川流域等を対象に下水処理場(27万㎥/日)、下水道管きょ(約41km)を建設するもの。四つのパッケージに分け事業が進められており、今回の処理場整備(パッケージ1)のほかに、推進工法による管きょ整備が現在も進められている。管きょ整備のうちパッケージ2(22km分)が今年中の完了を見込んでいる。
ハノイ市では急激な経済成長と都市化の進行に下水道施設の整備が追いついておらず、水質汚濁が深刻化していた。エンサ下水処理場の完成により、ハノイ市における下水処理能力が約2倍に増加する。
JFEエンジニアリング・月島JFEアクアソリューションJVが同処理場の整備を、鉄建建設が管きょ整備を、日水コン・NJS・オリエンタルコンサルタンツグローバル・現地企業らのJVがコンサルティングサービスをそれぞれ受注していた。
19日の完工式には日本側から石井宏幸国土交通省上下水道審議官、石川勇次在ベトナム日本国大使館次席公使、小林洋輔JICAベトナム事務所長らが出席。石井上下審は、日本の多くの企業が関与し、日本で培われた下水道技術が活用され、ベトナムの水環境改善に寄与していることをうれしく思うと述べ、今回のプロジェクトを契機に日越両国の関係のさらなる深化を望んだ。