日本下水道新聞 電子版

2025年813日 (水) 版 PDF版で読む 別の日付を表示
2025年813日 (水) 版 別の日付を表示 PDF版で読む

AI運転支援の新知見 国総研、導入ガイドライン案策定 マイクリップに追加

2025/08/13 総合 国土交通省
熟練者の判断と遜色ない結果が  *一致数=AIと熟練技術者の判断が完全一致 した場合と完全一致ではないが実運転へ適用 可能だった場合の合計数

 国土技術政策総合研究所は、「AIを活用した下水処理場運転操作の先進的支援技術」について、実規模実証試験を踏まえ、導入ガイドライン(案)を策定した。下水道革新的技術実証事業(B―DASHプロジェクト)として、「AIを活用した下水処理場運転操作の先進的支援技術に関する実証研究」を令和3~5年度に実施し、その成果を踏まえ技術導入ガイドラインとしてまとめたもの。

 実証技術は、下水処理場における良好な処理水質と電力や薬品使用料の低減を両立した熟練技術者の運転管理をAIに学習させ、運転操作の支援を行うAIを作成することで高度な運転管理を再現し、ノウハウを継承するとともに若手技術の育成を支援するもの。明電舎、NJS、広島市、船橋市の共同研究体が取り組んだ。

 作業者の代わりに現場状況や異常を把握する「画像処理AI」、今行うべき対策を絞り込み、課題と目標を提示する「対応判断AI」、課題と目標に対して適切な操作量を推定する「運転操作AI」、そして将来の水質を予測・確認する「水質予測AI」の大きく四つのAIを駆使し、下水処理場の運転操作支援を行う。

 実証研究を通じ、AI推論結果と熟練技術者の運転判断一致率は9割以上の高い数値を達成できたことや、電力・薬品費の削減効果が見込まれる結果が得られた。

 ガイドライン本文は、国総研ウェブサイトで公開している。


この記事を見た人はこんな記事も見ています

総合の過去記事一覧

×
ようこそ、ゲストさん。
新規会員登録 ログイン 日本下水道新聞 電子版について