DX活用で課題解決を 京都市、新技術MTG 活況に マイクリップに追加
京都市上下水道局は9月5日、「京の上下水道新技術ミーティング2025」を開催、283人が参加した。AIをはじめとしたDXの活用などの取組みを行った事業体の基調講演や、出展企業18社によるブース形式の技術紹介が行われた。
同イベントは最新技術の情報収集や職員の意識向上を目的として昨年から始まったもので、昨年は下水道技術を中心に脱炭素・DXをテーマにブース形式による技術紹介として開催。2回目となる今年は、DXの活用によるさまざまな課題解決をテーマとして、水道技術や事務の効率化も含めての開催に至った。
基調講演では、豊田市上下水道局上下水道企画課の岡田俊樹主幹が「人工衛星・AI・ビッグデータで水道クライシスに挑む! 豊田市DX水道局」と題し、水道DXの推進と水道事業の課題解決に挑んだ取組みを紹介した。
岡田主幹は「維持管理におけるAI技術では当たりを付けること(スクリーニング)と優先順位を付けることが重要。AIから導き出される回答はあくまで予測であって答えではないことを肝に銘じておく必要があるが、手をかければ精度を上げることができる」とAIを活用する際の注意点を強調した。
また、令和7年度(第18回)国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」においてグランプリを受賞した給排水工事オンライン申請システムについて「豊田市が発案し、西三河の5市でオンラインシステムを共同発注した際、組織を作らずに共同発注する仕組みを作った。結果として窓口業務の効率化の効果があったが、これが上下一体・広域化・DXを推進する国の方針に合致したため、今回の受賞につながったのではないか」と語った。
体験型ブースでは、月島JFEアクアソリューションが四足犬型ロボットの活用事例として、下水処理場での自動点検の実証を開始したことを説明。また、NJSは水中から水上まで幅広く撮影・調査が可能な水中ドローン技術を紹介した。このほか、AI管路劣化診断や多言語電話ボットなど、特にAIを活用した技術が数多く出展され、DXに関する最先端の技術に触れる貴重な機会となった。