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2021年1020日 (水) 版

駅舎直下、支障物に対応 DO-Jet工法、難現場事例を発表 マイクリップに追加

2021/10/20 産業 業界団体
現場の創意工夫を解説

 日本トンネル技術協会は8日、施工体験発表会を都内会場・ウェブ配信併催で開催。ゼネコン各社から難条件でのシールド工事事例が発表される中、鹿島建設東京土木支店大島幹線工事事務所の川東一幸氏が、現在DOーJet工法により施工を進めている「東大島幹線及び南大島幹線その4工事」を紹介した。

 同工事は、都営新宿線大島駅の直下(離隔11m)に下水道幹線を新設する工事であり、離隔1mという近距離に既設の下水道幹線が輻輳する。加えてルート上にはPIP杭が多数残置されていることからも、高精度で掘進を行いつつ地中支障物を非開削で除去しなければならないなど、難条件が重なる現場。

 DOーJet工法でPIP杭を除去するのも初の試みだったとのことで、綿密な切断計画を立案。H鋼等を切断するケースと比較し、よりメッシュを細かく設定し支障物切断・除去を行った点を紹介した。このほかにも駅舎や下水道幹線、共同溝、さらには上部路面への影響などもモニタリングするなど安全面に対し最大限の配慮を行いつつ工事を進めた。平成29年6月から今年6月までに、無事駅舎直下区間の掘進が完了している。

 発表後には、聴講者から補助工法の有無や高圧ジェットノズルの寿命などに関する質問が寄せられるなど、関心を集めた様子だった。

 同工法は、超高圧ジェットシステムを用いてシールド機・推進機内から、非開削・非接触で地中支障物の探査、地盤改良、切断・除去を可能にした技術。地上・地下で過密に空間利用が進む都市部でのシールド工事に対応すべく東京都下水道サービス、N・JETエンジニアリング、スギノマシンの3社が共同開発した。


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