金子大臣から表彰 八潮市陥没事故対応や法改正などを評価
八潮市で発生した道路陥没事故や、これを受けた下水道法の改正など一連の対応が評価され、国土交通省本省や国土技術政策総合研究所、関東地方整備局の職員で構成するチームが、金子恭之国土交通大臣から表彰を受けた。
表彰は、改正下水道法が成立した翌日の16日に国交省内で行われた。チームを代表して国交省下水道事業課の土師健吾事業マネジメント推進室課長補佐、関東地方整備局河川部の三好健次上下水道調整官、国総研上下水道研究部の安田将広下水道研究室長が出席した。
昨年1月に発生した八潮市の事故では、埼玉県流域下水道の幹線が腐食したことで大規模な道路陥没が発生。現場付近を走行中のトラックが転落し、ドライバー1人が命を落とす事態となった。国交省では事態を重く受け止め、2度とこのような事故を起こさせないとの決意の下、全国の下水道事業者に対し事故現場と同様な管路の劣化状況を調査する全国特別重点調査を要請。またこれを制度面においては、下水道事業の基盤強化とともに、施設の診断基準の強化などを盛り込んだ下水道法の改正に乗り出していた。
チームを代表して取材に応じた土師課長補佐は、事故以降に行った全国特別重点調査など下水道事業者の協力に謝意を示しつつ、改正下水道法の施行に向けた意気込みを示した。
■土師課長補佐のコメント(全文)
表彰は、チームメンバーだけでなく、異動で入れ替わった職員、また全国の下水道事業者の皆さまに支えられていただいたものです。法改正まで含めて「良くやった」という意味ではなく、「これからが本番だ」という激励だと受け止めています。
八潮市での事故を受け、国交省では全国特別重点調査を下水道事業者に要請しました。対象となった500を超える下水道事業者の方々には、1年という短い期間の中で管路の調査にご協力いただいたこと感謝しています。調査の過程では、現場で多々ご苦労があったと理解しております。
全国特別重点調査では、約750kmで異状が確認され、このうち約200kmが早急な対策が必要となる緊急度Ⅰと判定されています。その対策をしっかりと進めていかなければなりません。引き続き全国の皆さまの知恵をお借りしながら、頑張っていきたいと考えています。
昨日(7月15日)には改正下水道法が成立しましたが、法案審議の過程では、多くの国会議員の先生方から「国民への見える化」が必要である旨後押しいただいたことが、特に印象に残っています。
見える化と一言で言っても、実際の現場を預かる下水道事業者の方にとっては、自らが管理する施設に「悪いところ」があると公表するのは、非常に勇気がいることだと思います。しかしながら、八潮市での事故のような出来事を2度と起こさないためには、これを避けることはできません。
国会審議において有識者参考人として出席された政策研究大学院大学の家田仁シニア・フェローも言及されていましたが、国民に関心を持ってもらってこそ意味があります。単に古い管路が全体で何kmありますではなく、いつも通勤で使っている道の地下の管路がどういう状態なのかを見える化して初めて国民は関心を持つはずです。
改正下水道法では、そうした維持管理情報等の公表を義務化することを盛り込んでいます。今後、政省令や国のガイドラインなどの具体的な基準に落とし込むフェーズに入りますが、公表情報の更新頻度や点検・診断の結果(健全度の段階)を表す色の指定など、全国で統一のルールを策定していく予定です。
下水道事業者の方にはご負担をおかけしますが、見える化に向けて引き続きご理解とご協力をいただければと思います。

