ダウンサイジング水処理実証 AB-Cross、実規模2件、FS3件採択 マイクリップに追加
国土交通省は3月28日、令和7年度「上下水道一体革新的技術実証事業」(AB―Cross)で実施する実規模実証とFS調査の採択事業を公表した。実規模実証は「ダウンサイジング可能な技術」と「効率的な耐震化技術」、FS調査は「業務の効率化・省人化に資する技術」をテーマに公募していた。
採択事業は次の通り。
【実規模実証】▽好気性グラニュールによるダウンサイジング可能な下水処理技術(実施者=メタウォーター・日本下水道事業団・宮城県共同研究体)▽補強金具による非耐震ダクタイル鋳鉄管路の耐震補強の実証事業(実施者=大成機工・NJS・穴水町共同研究体)
【FS調査】▽中大口径管内表面状態評価技術(実施者=シャープ・カンツール共同研究体)▽浄水場ビッグデータを活用したかび臭濃度予測ソフトの開発に関する調査事業(実施者=前澤工業・中央大学・北海道科学大学共同研究体)▽加速度計による衝撃応答計測・微動計測技術を用いた水管橋の点検効率化および高度化実証事業(実施者=日水コン・構造計画研究所・鳥取大学・神戸市共同研究体)
このうちメタウォーター・日本下水道事業団・宮城県共同研究体の「好気性グラニュールによるダウンサイジング可能な下水処理技術」は、沈降性の高い汚泥である好気性グラニュールを活用し、一つの反応タンク内で①流入・流出②曝気③沈澱――の3工程サイクルによる高度処理を可能とするもの。流量減少への追従性に優れ、安定した処理水質と低い消費電力量原単位を維持したままのダウンサイジングも可能となる。また、標準的な処理方法の代替として使用する場合にはコンパクトな再構築にも資する。実証を通じて、処理水質・処理能力や消費電力量の低減効果等を確認する。
また7年度の応用研究の実施テーマも決定した。
研究名と実施者は次の通り。
▽下水汚泥焼却灰からのリン酸抽出グリーン新技術(東北大学、メタウォーター、国立環境研究所、住友商事共同研究体▽嫌気性アンモニア酸化反応を利用した下水と返流水の統合処理に関する研究(東洋大学、水ing、埼玉県環境科学国際センター、埼玉県下水道局共同研究体)▽デジタルツインと小型ドローンによる下水道管点検のDXソリューションの開発(Liberaware、CalTa共同研究体)