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点検箇所選定を容易に 東亜グラウト工業・北九州市・機構と共研、衛星観測データを解析 マイクリップに追加

 東亜グラウト工業は6月15日、北九州市上下水道局、日本下水道新技術機構と、合成開口レーダー(SAR)衛星による時系列観測データを用いて地表の微小な変位(地盤沈下・隆起など)を継続的に解析するモニタリングサービス「Rheticus Network Alert(レティクス)」を活用した、カメラ調査等の管路点検の優先順位付けに関する共同研究を開始したことを発表した。研究期間は10月31日まで。

 レティクスは、イタリアのPlanetek Italia(プラネティックイタリア)が提供する、衛星InSAR(SAR衛星の観測データ解析)サービス。12日ごとに収集された地表変位情報をもとに、地表の微小な変位(地盤沈下・隆起など)を広域かつ継続的に解析するため、全世界の地盤変位を継続的に把握することができる。現在のところ、海外では年間約50万kmの管路の監視に利用されているという。

 具体的には、空間的・時間的な変動傾向の分析により、地盤変動の影響を受けて力学的な負荷が生じている可能性のある管路を抽出する。また、土砂流出や空洞化、管路損傷等の異常事象と関連する可能性のある局所的・継続的な微小変位を検知して、GIS上で可視化する。

 共同研究における主な研究内容は▽レティクスによる12日ごとに収集された衛星地盤変位データの取得・解析▽1カ月・四半期・年1回など、事業体の目的に応じた更新プランの活用▽衛星InSAR解析によるミリ単位の地表変位計測▽北九州市保有の下水道管路網GISデータと、衛星で得られた地盤変位情報の重ね合わせ▽管網全体における広域的な地盤変位エリア、局所的な沈下ポイントの抽出▽カメラ調査・現地確認を優先すべき箇所のマッピング化▽管路網GISデータ、現地確認結果との関係性検証▽限られた予算・人員の中で活用できる点検優先順位付け手法の整理▽全国の下水道事業体で活用可能な事例集の作成――の9項目。これにより、より合理的に点検・調査対象となる管路を選定できる維持管理手法の確立を目指す。

 東亜グラウト工業は「今回のレティクスを活用した共同研究は、当社が水道分野で進めてきた衛星・AI・GISデータ活用の取組みを、下水道分野にも展開していくための重要なスタート。下水道分野においても、衛星技術を活用して広域の地盤変位を把握し、管路網GISデータと重ね合わせることで、カメラ調査や現地確認を優先すべき箇所を抽出することが可能になる」と紹介するとともに、「さらに今後は、こうした調査の効率化だけでなく、得られた情報を下水道管路の診断、更新・改築計画の効率化にもつなげていくことが重要であり、レティクスを下水道版の衛星・AI技術による一気通貫の管路管理に向けた第一歩と位置付け、調査から計画策定までをより効果的につなげる新しい維持管理手法の確立を目指す」とコメントしている。


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