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施設管理DX化加速へ 点検業務ロボ「ugomini」 マイクリップに追加

2024/12/04 産業 製品・技術
ugominiによる点検の様子

 担い手不足を背景にDX技術の現場導入による下水道管理の省力化・高度化が求められる中、業務DXロボットの開発を手掛けるugo(ユーゴー、松井健CEO)は、下水道施設の点検業務への同社技術の適用を試みている。11月27日には水事業総合会社である水ingへの業務DXロボット「ugo mini」の納入を発表。施設管理に新たな波が到来している。

 バッテリー駆動型のAI搭載多機能点検ロボット。4Kカメラや各種センサー類を搭載している。

 狭小箇所の点検が行えるようコンパクトなデザインで、伸縮機構をそなえたテレスコピックポールにより自在にカメラの高さを変えられる。動作時の静音性にも配慮した設計だ。10月に製品版をリリースしている。

 納入先の水ingでは、ugo miniを次世代の運用管理を見据えた検証として位置付けているとのことで、同社が施設の運転管理を受託する下水道処理施設における日常の点検業務をロボットによって効率化するねらい。現場での人員負担を軽減し、安定した施設運営の支援が期待される。今後、各拠点における「ugo mini」の複数台運用を視野に入れ、さらなる業務効率化と省力化の実現を目指すという。

 同社の古賀大輔デジタル・システムイノベーション統括部長は「施設内の無人移動プラットフォームとしての拡張性に期待している。現在は可視光のカメラによる目視の代替を検証中だが、今後、さまざまなセンサやAIと連携させることで、対応可能な点検項目を拡充させていきたいと考えている」と期待を寄せている。

 既存の水処理施設内の環境は、配管や段差、水の存在により、必ずしも車輪移動式のロボットに適しているとはいえないケースもあるといい、対応可能な施設条件を検証しながら適用先を見定めるとともに、ロボットによる点検を容易にする新規施設設計の要件を見出すことも視野にあるようだ。

 なお「ugo mini」は、フソウと横浜市が取り組む「AGVを活用した電気室の日常点検における業務効率化に関する共同研究」においてもAGVとして採用されるなど、各社で施設管理業務への適用可能性が模索されている。


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