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2024年27日 (水) 版

早期復旧へ支援隊派遣、不足するマンパワー補う 下メンテ・名建協、石川県の要請受け マイクリップに追加

出発式で第1陣を激励(下メンテ)

 能登半島地震で被災した下水道施設の復旧に向けて、東京や名古屋で活動する地域建設関係団体が、被災地で不足するマンパワーを補う動きが出てきている。

 1日には、東京都内で活動する下水道メンテナンス協同組合(下メンテ)が輪島市との間で、現地での管きょの調査と洗浄などを実施する協定を締結。また名古屋建設業協会(名建協)も珠洲市との間で、管路の応急復旧工事に関する業務の実施協定を締結した。

 輪島市、珠洲市をはじめとする能登6市町では、管きょの被災延長が359kmに達するなど下水道施設の被害規模が大きい。その応急復旧には、土木工事や管きょ内の清掃作業を担う民間事業者の確保が必要なものの、石川県内の建設事業者は、道路などの復旧作業が集中しており、下水道の現場での人員不足が浮き彫りとなっていた。

 こうした状況の中、石川県庁では下水道の復旧支援を担っている大都市に民間事業者の確保協力を要請。これを受けて、東京都下水道局が下メンテを、名古屋市上下水道局が名建協を被災都市に紹介。下メンテ、名建協がそれぞれ輪島市、珠洲市との間で協定を締結し、支援に当たる。

 下メンテは、東京都内の下水道工事事業者97社で構成する組合。石川県からの要請を受けた東京都の仲介の下、1日に輪島市との間で「災害時における応急対策業務に関する協定書」を締結した。東京都の政策連携団体である東京都下水道サービスも、輪島市での支援活動に従事しており、東京の下水道事業を支える三者がそれぞれの特性を生かした役割分担の下、連携を強化し、施設復旧のスピードアップを図る。

 2日には同組合会議室で出発式を挙行。佐々木健東京都下水道局長をはじめ、小川健一下水道メンテナンス協同組合理事長、原英雄東京都下水道サービス専務取締役らと第1陣の23人が集結した。小川理事長は「現地はまだまだ過酷な状況にある。1日も早い復旧に向けて、培った経験と技術を生かして取り組んでほしい」と隊員を鼓舞。佐々木局長は「(下メンテに)これまでの枠組みではなく、全国に先駆けた支援をしていただくことは大きなインパクトとなる。輪島市はほぼ全域が断水という厳しい状況にあるが、当局の職員やTGSの社員とも連携して生活の基礎である上下水道の復旧に尽力していただきたい」と期待を込めた。第1陣として現地に向かう支援隊隊長の五十嵐仁氏(鶴丸環境建設埼玉支店取締役支店長)は「東日本大震災の支援の経験の下、プライドを持って復旧に当たりたい」と決意表明を行った。

 第1次支援隊は鶴丸環境建設、尾島興業、動栄工業の3社、5人で3隊を編成。車両は各隊、高圧洗浄車、吸引車、TVカメラ車、保安車、連絡車の5台を基本に4日に現地入りした。さらに下水道メンテナンス協同組合事務局から2人が連絡車で同行。3隊は、輪島市内で下水道管路内の調査、洗浄などをはじめ、TGSが行う下水道維持管理業務の補完を行い、できるだけ早期の通水を目指す。

 なお、11日から1次隊が交代して鶴丸環境建設(継続)、正和興業、伸幸、足立建設工業の4隊が作業に従事する。また、損傷した下水道管の補修を主な作業内容とした先遣隊(必要な作業資機材の調査等)として三倉建設、加茂建設、足立建設工業、正和興業の4社が現地に入る。補修班の本体は、通水班の2次隊と合流する予定。

 一方で名建協は、名古屋市内に本社を置く建設事業者で組織する一般社団法人。会員社数は160を超える。今回、珠洲市で支援を行うのは山田組、イースタン、タケコシ、足立建設の4社。下水道管路の応急復旧に必要な土木工事を担う。珠洲市との間で締結した協定に基づき、工事発注に当たって同市と名建協が特命随意契約を締結する。

 名建協からの支援隊は早ければ13日から、珠洲市内で活動を展開する。すでに水道の配管工事として1月10日から、名建協会員企業12社が珠洲市、七尾市内で活動を行っており、民間事業者としても上下一体での早期復旧を目指す。


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