TGS・CWOも石川へ 行政視点生かし、被災地支援 マイクリップに追加
令和6年能登半島地震の被災地に東京都下水道サービス(TGS)、クリアウォーターOSAKA(CWO)がそれぞれ支援に入った。TGSは輪島市、CWOは能登町を中心に活動を展開。いずれも東京都、大阪市の外郭団体であり、公的立場に近い民間企業として被災自治体に寄り添った支援を行っている。
◆都や他市と連携、復旧活動に尽力 TGS
TGSは、1月23日から輪島市に下水道施設復旧支援のための社員を派遣している。
現在、能登6市町では大都市が上下水道一体となった復旧支援を進めているが、TGSは同月17日に東京都下水道局から「能登半島地震に関わる災害応援要請」を受け、同局と協力体制で早期の被災地支援を実施するために派遣を決定した。
1月23日から6人の職員が現地入りした後、29日から6人、2月4日から5人と交代しながら、現地で局や政令市とともに一次調査を実施している。
4日からは二次調査にシフトし、現場監督や事務方で構成された5人の隊員が現地で支援活動を展開している。
輪島市では全戸断水が続いている地区もある一方、道路の損傷が激しく冬季の風雪とも相まって調査の進捗が捗らない状況にある。TGSでは当面の間、局や他の政令市と連携した復旧活動に努める方針だ。
◆市の要請受けて、初の災害支援へ CWO
CWOは、大阪市より「大阪市域外での災害時における応援復旧対策の協力に関する協定」に基づく要請を受け、市と協力体制で能登半島地震における被災地支援を実施している。
CWOが設立された平成28年7月以降、広域的な支援を必要とする大規模災害が発生していないことから、同社としては初めての災害支援となる。なお同協定は、「大阪市下水道施設包括的管理業務委託」に基づくもので、令和4年4月1日に締結された。
能登6市町では、大都市による上下一体となった復旧支援が展開されている。国土交通省は1月24日、下水道部事業マネジメント推進室長名で、石川県と能登6市町に加え、6市町で支援活動を展開する大都市に向けて、下水道の応急復旧を優先して実施することを示した事務連絡を発出し、二次調査より下水道の機能確保を優先して実施することを求めている。このため、水道が復旧した際に汚水の溢水が生じないよう、一次調査から二次調査へ移行するタイミングで溢水調査を行う必要性が生じている。
CWOは要請を受けた1月10日、下水道管の被害調査に向け、社員4人・車両1台を能登町へ派遣。その後、交代しながら、現地での一次調査、水道復旧に伴う下水道の溢水対策を実施するとともに、現在は二次調査を継続して行っている。
要請書では、支援の対象が能登町および穴水町となっているが、現在まで能登町を主な活動場所としている。また、輪島市は被害が大きく、道路啓開に時間を要した分、下水道調査を迅速に進捗させる必要が生じたため、大阪市の対象場所に輪島市門前処理区を追加することとなった。同処理区については、1月26、27日に一次調査を既に実施している。
なお6日現在、CWOからは延べ116人日が現地に派遣されている。