日本下水道新聞 電子版

2023年621日 (水) 版 PDF版で読む 別の日付を表示
2023年621日 (水) 版

健全な水循環 後世に、北九州市らに栄誉 日本水大賞、秋篠宮さまがご出席 マイクリップに追加

13日の表彰式

 第25回日本水大賞・2023日本ストックホルム青少年水大賞の表彰式が13日、東京・江東区の日本科学未来館で開かれ、日本水大賞委員会の名誉総裁を務める秋篠宮皇嗣殿下がご出席される中、各賞の受賞者に表彰状が手渡された。応募総数は96件。

 大賞は、北九州市上下水道局の「世界に広がる北九州市の水に関する技術」に贈られた。このほか、東亜グラウト工業による「水インフラを支え、水災害に対処する技術と担い手を盛り上げる記念日活動」が経済産業大臣賞を受賞した。

 表彰式で秋篠宮皇嗣殿下は、大賞の北九州市上下水道局の活動について「北九州市は、公害や渇水、浸水などの問題を乗り越えてきた経験をもとに、上下水道の分野で国際技術協力を進め、カンボジアの水道普及や、ベトナムの浄水場へ北九州市独自のろ過技術を導入するなど、世界各国と幅広い交流を続けています」と述べられた。

 また「私たちは、水から受ける恩恵に感謝し、安全で安心することができ、かつ健全な水循環系を礎とした国土と自然を、後世に引き継いでいかなければなりません。本賞が、その一つの契機となり、多くの人々がそれぞれの地域で水を守り、水について考える活動を実践していかれることを願っております」と述べられた。

 古川康国土交通大臣政務官は、主催者あいさつの中で水問題の解決には連携が重要との考えを示しつつ「皆さまの取組みがこれからも日本のみならず、世界の水問題解決につながることを祈念したい」と呼び掛けた。

 また中谷真一経済産業副大臣は、東亜グラウト工業の取組みについて、同社が水循環の大切さを広く社会に理解してもらう活動をしてきたことに触れ、「こうした企業活動が水循環の健全化に大きく貢献すると高く評価」され受賞につながったとした。

 表彰状授与後、北九州市上下水道局の一田大作広域・海外事業部長、笹田和宏同部海外事業課海外事業担当係長が秋篠宮皇嗣殿下や各省幹部ほか参列者の前で受賞活動について発表した。同市は深刻な公害問題を市民・企業・行政一体で克服した経験を生かし、国際技術協力を長年にわたり継続。ODA事業によるプノンペンでの下水処理場の建設や環境教育など水環境改善に取り組んでいることなど成果を紹介した。表彰式後には、秋篠宮皇嗣殿下が微生物を用いた処理方法の特長などに関心をお持ちになり、お話を聞かれるご様子が見られた。


総合の過去記事一覧

×
ようこそ、ゲストさん。
新規会員登録 ログイン 日本下水道新聞 電子版について