東ティモールの水環境に寄与 管清工業、人材育成・雇用創出へ覚書 マイクリップに追加
日本で培われた水管理ノウハウの海外貢献へ
管清工業(長谷川健司社長)は10日、CWP GLOBAL(今洋佑社長、CWPG)、東ティモール民主共和国の国立職業能力開発センター(CNEFP-Tibar)とともに、「東ティモールにおける産業・雇用創出に向けた技術人材のための能力開発プログラム」について基本合意し、覚書調印式を行った。3者が協力し、東ティモールの上下水道インフラ管理を担う人材の育成を手掛けることで、同国の水環境改善や雇用の創出につなげる。
同プログラムでは、東ティモールで職業訓練を受けている若手技術者を受け入れ、管清工業の施設(厚木の杜環境リサーチセンター)での研修などを通じて、技術を習得、そこで得たノウハウを自国に持ち帰り、水インフラの維持・改善や衛生環境の向上を図る。また、こうした技術者が独立し、事業を拡大させることで、雇用の創出や経済の活性化、自立的な水インフラの維持管理環境の構築を目指す。9月ごろから2カ月間、国立職業能力開発センターの学生2人を受け入れ、集中研修を実施する予定。
長谷川社長は「日本で長年、管理に携わってきた立場として、管理の視点で考えられる技術者育成をサポートしたい」と意欲を示した。
今社長は「上から目線ではない活動を育てていきたい」、国立職業能力開発センターのアルセーニョ・ペレーラ代表は「われわれは今、メンテナンスに関する知識を必要としている。知識を学び、シェアする機会をいただいて感謝している」と期待を込めた。
来賓として訪れた駐日東ティモール大使のイリディオ・シメネス・ダ・コスタ閣下は、一方的な支援ではない共存共栄のプログラムであることを強調し、「わが国と日本の新たなステージの扉が開いた」と喜びを表した。
CWPGは、昨年8月に管清工業が一般社団法人CWPの理念に賛同し、世界の水環境を支援するために設立された新会社。東ティモールは、独立から約20年と若く、成長が期待できると考え、同国での活動に着手することを決めた。同年9月にCWPGと管清工業の視察団が現地へ渡航、視察調査をはじめ、現地の子どもたちへ水の大切さを学ぶ授業の提供、政府機関らと今後の事業について相互協力の確認を行っていた。