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2023年45日 (水) 版

日本水大賞、北九州市に大賞の栄誉 上下水道の国際展開評価 マイクリップに追加

公害克服の象徴の紫川

 水循環の健全化に資する優れた活動を展開した団体らを表彰する日本水大賞の各賞が3月31日に発表され、北九州市上下水道局が手掛けてきた水を通じた国際貢献が大賞に輝いた。また水インフラの周知活動を手掛けた東亜グラウト工業が経済産業大臣賞を受賞した。表彰式は、同日発表された日本ストックホルム青少年水大賞と合わせ、6月13日に日本科学未来館で行われる。

 日本水大賞は、秋篠宮皇嗣殿下が名誉総裁を務める日本水大賞委員会(委員長=毛利衛日本科学未来館名誉館長)と国土交通省が主催するもの。今回で25回目を迎える。

 北九州市上下水道局の受賞活動は「世界に広がる北九州市の水に関する技術」。北九州市では、かつて「死の川」とまで呼ばれた紫川の水質改善を果たすなど、公害を市民・企業・行政一体で克服する過程で培った技術やノウハウの下、上下水道分野で30年以上にわたり技術協力を展開してきた。

 水道分野では、カンボジア・プノンペン市での「水道人材育成プロジェクト」(1999~2006年)では、職員を専門家として派遣。短期間で水道普及率等を劇的に改善させた取組みは「プノンペンの奇跡」と呼ばれ、アジアで数少ない「飲める水道水」の実現に寄与した。その後も継続的な支援活動を展開し、ミャンマーでの浄水場の運転管理指導、ハイフォンでの北九州市発の高度浄水技術の導入促進など精力的に活動を行っていた。

 東亜グラウト工業は、全国各地で豪雨や台風、地震などの大規模自然災害が頻発する中、「あって当たり前」との認識が根強い水インフラの重要性を知ってもらうためのきっかけづくりとして「水循環に思いをはせる日」の登録を日本記念日協会に対して申請し、認定を受けた。日付(11月8日)の由来は11(いい)、8(パイプ)。算用数字の8を上下に並んだ2本の水道・下水道管に見立てるとともに、横(∞=無限)にして水の循環をイメージしている。


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