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2022年914日 (水) 版

東大島幹線及び南大島幹線建設プロジェクト シールド工事の集大成 連載① 幹線築造工事の全体像 マイクリップに追加

 東京都下水道局発注の「東大島幹線及び南大島幹線建設プロジェクト」は、小松川第二ポンプ所に設けた発進立坑から延長約2kmの大口径幹線をシールド工法で築造するもので、約10年以上にわたり工事が進められている。河川横断、急曲線施工をこなしつつ、地下構造物近接施工箇所での地盤改良、そして地中支障物への対応も重なるなど、まさに技術・現場力が試される案件だ。今回、全4回にわたり、民間事業者側の創意工夫や、活用技術の有用性を取り上げる。

前例のない雨水幹線工事 DOーJet工法で施工

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  • シールドマシン
  • 全長約2kmを掘進する(提供資料)

 東大島幹線・南大島幹線は東京都江東区や江戸川区の一部を集水域とする雨水幹線で、東京都下水道局が管理する小松川第二ポンプ所から大島ポンプ所間の延長約2kmの区間となる。同幹線の建設工事については「その2~4工事」として発注され、鹿島建設が受注。泥土圧シールド工法(DOーJet工法)にて雨水幹線の築造が進められてきた。

 最下流部である小松川第二ポンプ所に発進基地を設け、旧中川沿いを北上した後、中川に架かる水管橋で西進し河川横断を挟む。その後、区道下を掘進し都道丸八通りとの合流箇所で北進。都営地下鉄新宿線大島駅舎直下を横断した後、大島ポンプ所へと到達するというのが大まかな工事ルートになる。

 「その2工事」は、小松川第二ポンプ所から第5大島小学校前の番所橋通り交差点箇所までの延長約1.4kmの区間となる。そこから都営新宿線大島駅手前までの地点(延長約350m)がその3工事、残る大島ポンプ所までの区間(延長約330メートル)がその4工事となる。鹿島建設大島幹線工事事務所の祖父江秀司所長は「当社としてDOーJet工法を採用したのは初。それも外径7m超に挑戦するというのも過去に前例のないもの。後述する急曲線施工や支障物除去など一つひとつでも困難な条件が複合的に重なるなど、技術・現場力の問われる現場だった」と強調する。(続く)


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