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2022年914日 (水) 版

管更生需要増に対応 光硬化工法更生材の製造拠点、北海道に新設 マイクリップに追加

2022/09/14 産業 製品・技術
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  • 製造設備等を公開
  • φ200~800まで製造する

 リグドロップ(大岡太郎社長)は、近年の管更生需要の拡大等に対応するため、国内で3カ所目となる更生材製造工場を北海道内に新設した。最新の光硬化工法である「アルファライナーH工法」の製造拠点として、今後事業展開する。2日には、光硬化工法協会会員のうち、施工権者らが新工場を視察した。

 東亜グラウト工業のグループ企業であるリグドロップでは、現場硬化型形成工法に分類される更生工法の中でも光硬化工法と呼ばれるシームレスシステム工法、アルファライナー工法等の更生材の技術開発および製造・販売等を担当している。

 ここ5年余りで管更生市場(中小口径)の中で、同社が展開する光硬化工法のシェアが急速に拡大しており、昨年度には年間施工延長140kmを突破。今後もさらなる拡大路線が見込まれている。

 従来、シームレスライナー、アルファライナーの製造拠点は、尼崎工場、豊橋工場の2拠点体制だったが、今回、登別市内のFRP総合メーカー(興和工業)協力の下、協力会社敷地内に更生材製造拠点を新設した。北海道特有の気候条件に合わせた品質管理方法の下、高品質の更生材を安定供給する体制が整うこととなる。このほか、地産地消による物流・配送の最適化、製造拠点の国内分散配置によるBCP強化なども見込まれそうだ。

 登別工場では、北海道内の更生工事で使用する更生材を製造する。製造可能管径はφ200~800で、製造能力は年間約30kmほど。将来的な日本下水道協会の認定工場制度への適用を見越し、工場内の試験室には樹脂増粘試験、強度試験、耐薬品性試験設備一式を取りそろえている。

 登別工場では、最新の光硬化工法であるアルファライナーH工法用更生材の製造を行う。同工法は、現アルファライナーと大まかな製造プロセスや構造は同様なものの、更生材の基材である耐酸性ガラス繊維の仕様を変更することで強度を向上させた技術で、条件によっては現アルファライナーよりも更生管厚を薄肉化できる。今年3月には日本下水道新技術機構の建設技術審査証明を取得している。なお、尼崎工場では、アルファライナーH工法用更生材の下水協Ⅱ類資器材登録および認定工場制度への適用に向け、7月下旬に性能確認等試験が実施されており、同工法が今後、光硬化工法の新たなスタンダードとして展開されていく。


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