省エネ型深槽ばっ気を実証 BーDASH、2共同研究体を採択 マイクリップに追加
国土交通省の令和4年度の下水道革新的技術実証事業(BーDASH)と下水道応用研究の採択案件が決まった。脱炭素化に向けて、省エネ、創エネ技術の実証を進める。
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BーDASHは、明電舎、大阪市で組織する共同研究体が「高効率最初沈殿池による下水エネルギー回収技術」を、前澤工業、日本下水道事業団、埼玉県で組織する共同研究体が「省エネ深槽ばっ気技術」を実証する。
高効率最初沈殿池による下水エネルギー回収技術では、水処理での創エネと省エネを両立させる。既存の最初沈殿池の代わりに、「高効率エネルギー回収沈殿池」を導入し溶存成分も含めた有機物の回収率を向上させる。消化ガス発生量の増加と同時に、後段の反応タンクでの消費電力量を削減させる。
省エネ深槽ばっ気技術では、低圧損型メンブレン散気装置と高効率な送風機を導入することで、従来は水深5m未満にしか設置できなかった散気装置を、反応タンクの底部に設置し、水処理の省エネルギー化を目指す。
下水道応用研究は4件が採択された。採択事業名、実施者は次の通り。
▽水素および廃棄バイオプラスチック分解物の消化槽への添加によるバイオメタン増量技術(大阪ガス・京都大学・NJS・大阪市共同研究体)▽下水資源を使った藻類バイオ原油生産と副産物の資源化に関する重点要素技術開発(藻類産業創成コンソーシアム・筑波大学・MoBiolテクノロジーズ共同研究体)▽3Dプリンターを使用した下水道放流域での低落差対応マイクロ水力発電の検討(リコー・JAGシーベル・金沢工業大学共同研究体)▽下水処理水の水田灌漑利用による温室効果ガス排出削減効果の定量化技術の開発(山形大学・秋田工業高等専門学校・秋田県立大学・日水コン共同研究体)