スカイアクアサービス設立 川﨑社長に聞くSASの全体像 マイクリップに追加
地域に水と笑顔を届ける
NJS(村上雅亮社長)は今年1月1日付で、上下水道のカスタマーサービスを展開する新会社「スカイアクアサービス(SAS、川﨑尉匡社長)」を設立した。SASは、NJSグループの2社(CDCアクアサービス、水道アセットサービス)が合併し、サービスを強化して再出発するもの。上下水道事業体が行う市民対応窓口、検針・料金管理、料金・会計システム導入等をコアとなるサービスとしつつ、水道ポータル等を通じた市民への情報発信やスマートメーターによる検針の自動化・省力化などDX推進に取り組んでいく。
今回は、SASのサービス概要やコンセプト等について、同社の川﨑社長に話を聞いた。
■一層のCS充実と新たな価値創出へ
――まず、SAS設立の趣旨について教えてください。
人口減少、気候変動、災害激化等により昨今、くらしにおける水と環境のサービスの重要性が高まっています。NJSは、変化に対応した機能の強化とともに、水インフラの新たな価値創出に取り組んでいます。価値創出の焦点は、「くらしの安全・健康・快適をまもる」「地域と環境をまもる」「水と環境のインフラをまもる」―としています。
カスタマーサービスは、市民や利用者などのカスタマーに対する価値創出であり、水インフラ事業の原点と考えます。経営統合は、NJSのカスタマーサービスをさらに充実させるものであり、新たな価値創造を促進するものです。
――前身となる2社(CDCアクアサービス、水道アセットサービス)はどのような会社だったのでしょうか。
合併の対象となるCDCアクアサービス、水道アセットサービスの2社はそれぞれ、水道BPOサービス(料金管理、市民対応窓口の事務委託)をコアビジネスとして、長い経験を持つ会社です。
CDCアクアサービスは、昭和43年に千葉県下では初めてとなる情報処理サービス会社として創立された「千葉電子計算センター」、現在の「シーデーシー情報システム」を母体とする会社です。シーデーシー情報システムは、昭和44年に千葉県下の下水道使用料計算、水道局業務をスタートし、平成14年には、水道のBPOサービスを開始し水道事業を拡大しています。令和元年には料金管理システム「AQUA―SYSTEM」のサービスを始め、6年に水道事業部門を分社化し、CDCアクアサービスに継承させました。7年にはNJSがCDCアクアサービスの株式を100%取得し、同社がNJSグループに参加することになりました。これが、合併までの流れです。
水道アセットサービスについてお話をする前に、NJS・E&Mの話をさせてください。NJS・E&Mは、平成10年にNJSの100%子会社として設立され、水道料金・窓口業務の受託業務をスタートしました。これは平成15年の指定管理者制度発足に先立つもので、建設から維持管理への時代の移行を先取りした形になります。平成12年にはNJSとして、クラウド型インフラ事業管理システム「SkyScraper」の開発を始め、料金管理、固定資産管理、会計管理をラインアップに揃えています。平成27年にはソリューション事業部を発足し、施設情報のデータ化や、資産調査等のアセットマネジメント事業をスタートさせました。
令和6年にNJS・E&Mは、同じくNJSの完全子会社であった水道アセットサービスと合併し、水道アセットサービスが提供していた3Dモデル作成、ドローン撮影、浸水シミュレーション等のデジタル業務を取り込みました。水道BPOサービスとインフラ管理の両輪体制を一層強化していくに当たり、新たな体制を築くために今年、2社の合併に至りました。
■広範なサービスに独自システム展開も
――SASのサービス概要とサービスエリアを教えてください。
当社のラインアップは、水道BPOから、断水や漏水、料金といった水に関する情報発信、水道DXの推進など多岐にわたっています。
他社にない強みとしては、デジタル関連業務に力を入れており、DX分野での自社ソフトウェアを展開している点、事業体の省力化・自動化に対する提案力が挙げられます。また、料金徴収業務では、市民の利便性向上ならびに収納率の向上に向けた電子マネー連携等による決済方法の多様化や、滞納整理の重点化等に取り組んでいます。
当社のサービス提供人口は、全国の約300万人にも上ります。これまで以上にサービスの品質を高め、ご満足いただける体制の整備が必要であると考えています。
■シナジー発揮で一層の効率化を
――SASのコンセプトは。
当社のサービスのコンセプトには、「地域に水と笑顔を届ける」を設定しました。
コンサルタントと料金管理を一体的に提供し、上下水道事業の持続性を向上させるサービスを展開する方針です。特に、CDCアクアサービスのシステム開発やスマートメーター試験導入の実績、水道アセットサービスの台帳整備・3Dスキャン等デジタル業務の実績のシナジーを発揮し、DXによる事業運営とインフラ管理の効率化を推進します。
また、料金管理サービスの付加価値として、見守りサービス、水に関する情報提供、イベント・ワークショップ等の市民とのコミュニケーション活性化に取り組みます。インフラ管理と事業運営管理の融合およびDX推進と地域活性化サービスの融合により、今後のウォーターPPPの推進にも対応してまいります。
■グループとして、ユーザーサイドから
――最後に、川﨑社長から何か一言。
上下水道コンサルタントとして事業計画と施設設計の技術を持つNJSと、ユーザーサイドの価値創出を目指す当社は、グループとして戦略とオペレーションのフィードバックサイクルの構築を目指します。「地域に水と笑顔を届ける」をコンセプトとして、インフラ全体のマネジメント高度化と市民サービスの品質向上を目指してまいります。
