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異常運転検知で点検前倒し 国総研、BーDASHガイドライン案を発表 マイクリップに追加

IoTとAIを活用した効率的予防保全型マンホールポンプ維持管理技術

 国土技術政策総合研究所は、下水道革新的技術実証事業(BーDASH)の「IoTとAIを活用した効率的予防保全型マンホールポンプ維持管理技術」のガイドライン案を発表した。

 実証技術は令和2年度に採択され、クリアウォーターOSAKA、クボタ、河内長野市、今治市、赤磐市で構成する共同研究体が実証を担った。マンホールポンプの運転データや点検データ、台帳データをクラウド上で管理するシステムを構築。クラウド上のAIが運転データを学習し、異物詰まりなどの異常運転を検知することや、故障の発生確率と影響度に基づいて更新優先度を算出し、ストックマネジメント計画の策定支援なども行う。

 異物の挟み込みといった詰まりが生じたままマンホールポンプが稼働を続けていると、故障などの原因となる。AIが運転データに基づき異常を検知することで、故障に至る前に、点検を前出し対応が可能となる。実証技術では、AIを活用し点検回数を増やすことなく、効率的な維持管理へと結び付ける。

 AIによる異常運転の検出率は、実証期間中で73.8%となり、正常運転の判定も含めて確認したところ正解率は96%だった。また実証フィールドでは合計194機のマンホールポンプ場を管理しており、令和元年度の実績値で詰まりによるもので年間154件の緊急出動を行っていた。実証期間中の緊急出動回数は11回で、これを年平均に換算し比較したところ、三つの実証フィールドの平均で83%の低減率が確認された。

 また点検報告書作成の時間は、従来の手法と比較して78.3%削減できることが確認された。


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