管内調査で新技術試作 NJS、維持管理の高度化へ マイクリップに追加
NJS(村上雅亮社長)は、産業機械メーカーのスギノマシンと共同で自立走行型点検調査装置の開発を進めている。
下水道管路のスクリーニング用途に対応したモデルとして開発したもので、バッテリー駆動によるケーブルレス化、障害物感知機能による自立走行がコンセプト。同社が事業者として参画する管路包括現場等での活用を経て、今後の製品化が期待される。下水道展’24東京の同社ブースでは試作モデルが展示され、注目を集めていた。
NJSでは、新たな成長戦略、中期経営計画を公表する中で、既存のコンサルタントサービスの枠組みにとらわれない新たな企業像としてオペレーションカンパニーを標榜し、各ビジネス領域の拡大・強化を進めてきた。その一環で先端ロボティクスを活用したインスペクション(点検・調査・診断)事業の拡大・強化にも取り組んでおり、関連子会社を設立するとともにドローンをはじめ要素技術の開発・実用化を果たしてきた。
今回、新たに発表したのは、自立走行をコンセプトとした点検調査装置で、技術名称は「Lucy」。実機展示では、土砂堆積など悪路での走行性を考慮し、足回りをキャタピラ構造としたモデル(写真右)を披露。また直視カメラに加え、装置上部に3Dライダーを搭載したモデル(写真左)も参考展示していた。
キャタピラ構造のモデルは、装置前方に障害物センサを搭載しており、管内で障害物などに接触すると、何度か前進を試みた後に後退するよう設定されており、不測の事態でも装置を回収できるよう工夫。毎分3m弱の速度で管内の映像を記録する。
一方、3Dライダーを搭載したモデルは、管路内を走行するだけで点群データを収集し、3Dモデルを作成。映像だけでは判別が行えない管の扁平やたるみの度合いを数値化することができる。維持管理のデジタル化を進めることで、設計業務の効率化へ寄与する。
NJSではこのほかにも管口カメラ(管診鏡PC/MC)や浮流式・潜水式ドローンなど点検調査技術を各種取り揃えるなど、維持管理ソリューションの拡充を進めてきており、今後も新たな技術の開発・実用化が期待される。