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緊急アンケート① 令和6年能登半島地震・大都市支援状況 マイクリップに追加

 元日早々、石川県北部を烈震が襲った令和6年能登半島地震。本紙では、発災後から被災地に駆けつけた大都市の職員がどのような支援を行ったのかについて、緊急アンケートを行った。なお、今回掲載した都市は1月29日までに回答があった都市で、未掲載の都市については順次掲載する予定。

 アンケート項目:①これまでの派遣状況②具体的な支援の内容③支援を通じて印象的だったこと④その他/支援に入った隊員の感想など

 ◆札幌市 支援に入った都市=金沢市 

①一次調査1月12~15日、二次調査1月18日~(現在も調査中)

②下水道一次調査:調査延長47.9km

③・複数の大都市で限られた時間内に調査を全て完了させるに当たり、他市職員とつながりを持っていると、より円滑な連携が可能になると感じ、下水道担当者の大都市会議など、災害に備えた平時の横のつながりが非常に役立つと感じた。

 ・金沢市の数少ない下水道職員が、近隣の被害著しい市町の支援に駆り出され、自市施設の被害調査すらままならない状況に、被害規模の大きさ、全国からの支援の必要性を実感した。

 ・厳冬期に差し掛かり、現地調査の進捗が天候に左右された。札幌市は世界の都市に比べて積雪量が多い都市であるため、災害が厳冬期に発生した際の準備の重要性を再認識できた。

 ・車道幅員が狭く復旧工事および二次調査に関わる大型車両の通行が不可能な場所もあったので、作業に配慮が必要。

 ・下水道管は、比較的新しくMH躯体等に異常が少ないと感じた。MH等の施設や下水道台帳が異なり勉強になった。

④【帰隊した職員の感想】

 ・災害支援経験の有無が、現場では重要であると強く感じた。今後、今回の経験を積極的に伝えていきたい。

 ・調査時に地元の方から災害時の状況などを生の声で聴くことができ、大変貴重な経験となった。

 ・初めて支援に行ったが、地元の人より感謝の言葉をいただき、一日も早く不便のない社会に戻したいと思った。

 ・日常生活は、普段と変わらないように映ったが、外壁や建物の損傷が地震の凄さを表していて、原状復旧には、時間を要すると感じた。

 ◆仙台市 支援に入った都市=金沢市

①第1次隊 1月10~16日(4名)下水道管きょ一次調査

 第2次隊 1月19~26日(2名)下水道管きょ二次調査

 第3次隊 1月25日~2月2日(2名)下水道管きょ二次調査

②〈下水道管きょ一次調査〉

 金沢市の一次調査延長237km(うち仙台市26.7km)

 〈下水道管きょ二次調査〉

 金沢市の二次調査延長34km(うち仙台市5.0km)

③〈一次調査〉

 熊本市支援など過去の経験から効率的な調査方針を決定することができ、金沢市もこの方針に基づき速やかに対応してくれたことから、効率的に調査を実施することができた。

 〈二次調査に関して〉

 ・直近で大きな地震災害を経験していた熊本市が参加しており、その助言や経験が役立っていると感じた。

 ・調査結果の集計方法に改善の余地があると感じた。

 〈第1次隊隊員(一次調査)の感想〉

 ・雨天時や降雪時の調査において、下水道台帳図(調査資料)が濡れてしまい調査結果の記入に苦慮した。

 ・一次調査の結果により、二次調査の方向性が決まってしまうため、見落としがないよう細心の注意を払い調査を行った。

 ・調査の際に地元の方から「遠いところ応援に来てくれて有難う」と何度もお声掛けをいただき、少しでも役に立てるよう頑張ろうと思った。

 ・調査時に地元の方から労いの言葉を掛けていただき、とてもやりがいを感じた。

 ・今年度の仙台市の合同防災訓練において試行した携帯端末とWebアプリを用いた一次調査の手法を他都市にも展開できれば、調査結果の取りまとめに要する時間を短縮でき、より迅速に二次調査に移行できると感じた。そのため、本市でも今後本格的に導入・運用していく必要性を感じた。

 〈第2次隊隊員(二次調査)の感想〉

 ・気象条件に調査の進捗が左右され、雪国の冬季における支援の難しさを感じた。

 ・各都市が臨機応変に対応し、意見を出し合い、良い緊張感を得られた。

 ・悪天候における調査では、図面等、調査資料のデジタル化の必要性を感じた。

 ※あくまで1月26日17時現在の状況であり、2月2日以降も派遣の継続を見込む

 ◆さいたま市 支援に入った都市=輪島市

①第1班1月11~17日 第2班1月17~23日 第3班1月23~29日 第4班1月29日~2月4日(いずれも4名)

②下水道管路施設の被災調査:管きょ(約180km)を東京都、千葉市、川崎市と合同で調査。

③積雪によりマンホールの確認に時間を要するなど、不慣れな雪に手間取ることが多い点は印象的であった。

④・地元の方から、災害支援に対する感謝の言葉をいただき、微力ながら復興へ向けた支援に加われたことを誇りに思う。

 ・地元の自治体幹部職員よりお礼と握手をされたことが、支援の励みになった。

 ・支援に来てから緊急地震速報がなり、支援隊一同に緊張が走った。改めて被災地にいることを実感した。

 ・調査現場までのルートには地割れ、陥没、橋台背面の段差、崖崩れが発生した跡などがあり、移動には十分気をつけた。

 ・雪で人孔蓋がなかなか見つからなかったが、人孔間距離から見つけた。

 ◆千葉市 支援に入った都市=白山市・輪島市

①第1次1月11~17日(4名)管路一次調査(白山市)

 第2次1月17~23日(4名)管路一次調査(輪島市)

 第3次1月23~29日(4名)管路一次調査(輪島市)

 第4次1月29日~2月4日(4名)管路一次調査(輪島市)

②下水道施設(管路・マンホール)の一次調査

 白山市の一次調査延長は約85km(うち千葉市約40km)

 輪島市の一次調査延長は約180km(うち千葉市約17km)

 ※1月28日時点

③特に被害の大きかった輪島市においては、拠点(中能登町)から支援先(輪島市)まで、道路の復旧が終わっておらず、支援先までの移動に時間(片道3時間)を要したため、資料作成等の作業が深夜まで及んだ。

④現在も輪島市で一次調査を実施中

 【帰還した職員からの感想】

 ・現地の方から感謝の言葉をいただき、一層励みになった。

 ・現地の状況を目の当たりにし、より迅速な復旧が必要だと感じた。

 ◆横浜市 支援に入った都市=石川県志賀町

①支援調整隊(継続中)1月8~24日現在

 一次調査:1月9~18日終了

 二次調査(継続中):1月19日~1月24日現在

 延べ人数120名(1月24日現在)

②〈支援調整〉

 ・担当する市町の上水と下水が復旧する際のアドバイザー

 ・被害が大きかった市町においてはまちづくりとの連携の実施

 ・下水道の0次調査

 〈一次調査〉

 〈二次調査および応急復旧支援〉

③上下連携一体での支援の打ち出し(志賀町について横浜市水道局が支援)

 ・上水道の復旧と連携し、給水開始に遅れることなく実施する必要があることから、上水道の復旧状況や通水状況、被災自治体のニーズを把握した上で、管路内の閉塞物の除去作業や仮配管の設置等の応急復旧対応が災害復旧工事に向けた調査より優先されていること

 ◆川崎市 支援に入った都市=石川県志賀町、輪島市

①1月8~12日(3名)支援調整

 ・1班 1月10~17日(4名)管路一次調査(志賀町)

 ・2班 1月11~17日(4名)管路一次調査(志賀町)

 ・3班 1月15~21日(4名)管路一次調査(志賀町、輪島市)

 ・4班-1 1月16~23日(2名)管路一次調査(志賀町、輪島市)

 ・4班-2 1月19~25日(2名)管路一次調査(輪島市)

 ・5班-1 1月20~26日(2名)管路一次調査(輪島市)

 ・5班-2 1月22~27日(2名)管路一次調査(輪島市)

②下水管の一次調査:志賀町の一次調査延長は約60km(川崎市と横浜市と合同で実施)

③・下水道台帳が整備されていない地域において、一次調査が想像以上に労力を要すること。

 ・震度7クラスの地震に見舞われた地域においても、データ通信網が健全である範囲が広いこと。

④1月28日現在も川崎市で輪島市内の一次調査を実施中

 【帰隊した職員からの感想】

 ・下水道台帳の重要性を再認識した。

 ・本市のBCPを再検証する機会となった。

 ・雪などの天候不順が続き、調査に想定以上の日数を要した。

 ◆浜松市 支援に入った都市=珠洲市、かほく市

①〈珠洲市〉

 ・管路調査(合計27名)

 1月8~10日(2名)管路0・一次調査

 1月11~13日(6名)管路0・一次調査

 1月14~17日(10名)管路0・一次調査

 1月18~19日(12名)管路0・一次調査

 1月20~26日(11名)管路0・一次調査

 1月27~28日(12名)管路0・一次調査

 〈かほく市〉

 ・管路調査(合計4名)

 1月8~13日(4名)管路一次調査

②下水道管の0・一次調査

 珠洲市の一次調査延長は約104.3km(うち浜松市約41.4km)

 かほく市の一次調査延長は約72.8km(うち浜松市約31km)

④降雪地域への冬季の支援となっているが、積雪によりマンホール位置の特定や除雪に時間を要するなど、気候特性により作業が困難となる場面が多く、思うように日進量が稼げなかった。

 ◆相模原市 支援に入った都市=小松市

①第1次1月11~17日(4名)管路一次調査

②下水道管の一次調査

 小松市の一次調査延長は約57km(うち相模原市約31km)

④農業集落排水管路の一次調査を石川県七尾市で実施中期間:1月21~27日

 【帰隊した職員からの感想】

 ・初めての災害派遣であり、不安もあったが、無事に調査を完了できてよかった。

 ・被災地の状況を対岸の火事と捉えず、今回の経験を、本市の防災体制へ反映させていきたい。

 ◆静岡市 支援に入った都市=かほく市、珠洲市

①かほく市 第1次1月9~12日(4名)管路一次調査

 珠洲市 第2次1月14~16日(4名)管路一次調査

     第3次1月17~19日(4名)管路一次調査

     第4次1月20~24日(4名)管路一次調査

     第5次1月22~25日(4名)管路一次調査

     第6次1月23~25日(4名)管路一次調査

     第7次1月29日~ (2名)管路二次調査(調査計画)

②下水道管の一次調査

 かほく市の一次調査延長は約72.8km(うち静岡市約40km)

 珠洲市の一次調査延長は約104.3km(うち静岡市約34.8km)

④1月29日現在も珠洲市で二次調査を実施中

 ◆名古屋市 支援に入った都市=七尾市、珠洲市、石川県

■七尾市

①第1次1月8~16日(9名)、1月8~19日(5名)管路一次調査

 第2次1月14~22日(15名)管路二次調査、第3次1月18~29日(2名)、1月21~29日(12名)管路二次調査

 第4次1月28日~2月11日(1名)、1月28日~2月6日(14名)管路二次調査

②上下水道の一体的な復旧計画の策定、および進捗管理/水道施設の復旧状況の確認、および情報共有

 被災自治体への調査結果の報告、および調査結果に基づく応急措置の提案

 下水道の被害状況調査

 ・下水道管の一次調査:七尾市の下水管全延長約231kmに対して、一次調査延長は約231km(うち名古屋市約63km)

 ・下水道管の二次調査:七尾市の二次調査対象延長は約83km(うち名古屋市約83km)、1月28日時点二次調査実施中(実施済約20km)

■珠洲市

①第1次1月13~21日(7名)管路一次調査

 第2次1月19~27日(5名)管路二次・二次調査

 第3次1月25日~2月2日(5名)管路二次調査

②上下水道の一体的な復旧計画の策定、および進捗管理/水道施設の復旧状況の確認、および情報共有

 被災自治体への調査結果の報告、および調査結果に基づく応急措置の提案

 下水道の被害状況調査

 ・下水道管の一次調査:下水管全延長約105kmに対して一次調査延長は約105km(うち名古屋市約30km)

 ・下水道管の二次調査:珠洲市の二次調査対象延長は約98km、1月28日時点二次調査実施中(実施済約0.2km)

③上下水道が一体となっての支援、および復旧計画の策定

 ・下水管調査(二次調査)の考え方の変更(従来:メッシュ単位→今回:優先ルート→その他管路)

 ・積雪、滞水、溢水対応などが調査進捗に影響あり

 ・半島の先端という地理的条件もあり、宿泊・作業拠点や移動ルートの確保が難航した

■石川県

①第1次1月5~12日(2名)、第2次1月12~19日(2名)、第3次1月19~26日(2名)、第4次1月26日~2月2日(2名)いずれも支援調整

②国土交通省等※による下水道技術者の派遣に参画し、石川県内の下水道施設の早期復旧にかかる支援等

 ※名古屋市のほか、国土交通省下水道部、国土技術政策総合研究所、東京都、長野県、地方共同法人日本下水道事業団、公益社団法人日本下水道協会、公益社団法人日本下水道管路管理業協会

③支援調整本部では、水道支援隊と下水道支援隊が同部屋で作業することとなり、これまでにない上下水一体での支援となった。

 ◆大阪市 支援に入った都市=石川県能登町

①第1次 1月8~17日(4名)支援調整・管路一次調査

 第2次 1月10~19日(6名)管路一次調査(うち4名はCWO職員)

 第3次 1月18~26日(6名)溢水調査(バキューム班 ※全てCWO職員)

 1週間程度で職員を交代、1月29日時点で延べ42名派遣(うちCWO職員は20名)

②下水道管の一次調査

 能登町の一次調査延長は約78.5km(うち大阪市は約30.8km)

 能登町については大阪市、京都市、堺市の3都市で支援

 下水道管の二次調査

 二次調査対象延長は約33.3km(うち大阪市は約14.3km)

③・上下水道一体となった早期復旧

 ・避難所など水道の断水解消にあわせた下水道の応急復旧

 ・これまでにない水道部局との連携・連絡調整

 ・被災自治体のニーズを把握し一次調査とあわせた溢水調査を実施

 ・応急復旧を行いながら並行して二次調査を実施

④1月29日から能登町で二次調査を実施中

 【帰隊した職員からの感想】

 ・関西ブロックの4都市で連携した調査を実施することで、大都市支援隊の結束力が高まった。

 ◆堺市 支援に入った都市=白山市、能登町、輪島市

①1月10日より調査員として職員4名を派遣し、本日まで延べ12名を派遣している(1月26日時点)。

②石川県白山市、鳳珠郡能登町、輪島市において、マンホール蓋を開け地上から目視でマンホール内部の異常等を確認する調査(一次調査)を実施した。

③・少しでも早く復旧ができるように、各市が密に連携を取りながら調査を進めていることが凄いと感じた。

 ・甚大な被害を受けた地区と、軽微な被害を受けた地区との被害状況の差が非常に大きかったことが、印象的であった。

 ・一部の市町は、下水道台帳がデジタル化(PDF化)されていたため、降雨時の活動でもタブレットで台帳確認することができ、作業が効率的に行えた。

④【帰隊した職員からの感想】

 ・現地に入りマンホールの隆起、道路の陥没、家屋の倒壊を目の当たりにして改めて自然の恐ろしさを感じました。そんな厳しい環境の中でも苛立つことなく生活している石川県の方に頭が下がる思いでした。

 ・地元の方に感謝され、元気をもらった。

 ・被災地の現状を目の当たりにして自然の前で人間は無力であると改めて感じました。その中で各支援都市の職員が知恵を絞り懸命に被災地のために行動していることに人間の強さを感じました。被災地の方々が一番しんどい状態であるにも関わらず、私たちに感謝の言葉をかけていただきとても励みになりました。

 ◆神戸市 支援に入った都市=石川県穴水町

①第1次1月8~15日(4名)第2次1月13~19日(4名)第3次1月16~22日(4名)第4次1月19~27日(6名)第5次1月25日~2月3日(2名)第6次1月28日~2月6日(4名)

②下水道管きょの0次、一次調査 対象延長約40km、二次調査(予定)

③・上下水道一体の組織であったため、支援側も上下水道一体で取り組んだことは、情報共有の面で大きい。特に避難所などへ上水道の給水情報が早期に得られたことは大きかった。何より、被災者への安全な水、トイレへの不安を少しでも和らげたのではないかと感じる。水道局と密に連絡を取り、水が張られるエリアを意識しながら下水道の調査箇所の優先順位付けを行った。北陸積雪地帯での被災ということで、調査が気象状況に左右される。倒壊、半壊の家屋が相当数存在し、積雪による家屋倒壊など2次災害の恐れが懸念される。奥能登に向かう道路網が能登半島付け根に集中しているため、交通渋滞により支援地に到着するのに時間を要した。

 ・一次調査および応急復旧に関して、これまで以上に上水道の復旧にあわせた進捗管理を求められたが、上水道部局との意思疎通がうまくいかないところもあった。

 ・緊急車両・物資搬入・避難車両などにより、使用できる道路が慢性的な渋滞となっていた。また拠点となる宿泊施設は被災により使用不可で、宿泊地の金沢市内から車で片道3~4時間程度の移動時間を費やし、現地での調査可能時間が短くなった。

 ・LINEなどの通信手段により、他都市からの支援隊との情報共有が効率的にできた。

 ・神戸市では後方支援班を編成。現地派遣班が現場で撮影した写真を送信し、そこで台帳との突合せなどを実施するなど、効率的な役割分担が行えた。

④【帰隊した職員からの感想】

 ・今回に限らず、大規模災害が起こると、被災都市だけでは対応できないケースが多い。そこで全国からの支援が必要となるが、被災都市の職員はその都市の職員にしかできない業務がある。一方で、支援都市でも十分に対応できる業務がある。

 ・自治体のBCPはもちろん必要であるが、受援計画も重要。下水道の場合は下水道台帳、施設台帳がデジタルベースであれば、支援側もスピーディに動けたのではないか。

 ・支援作業中に現地住民から早期の水道復旧見通しを望む声を直接伺う場面もあった。水道復旧と合わせた下水道復旧に向けて被害状況調査を少しでも早く進めたいという気持ちで支援にあたった。

 ・阪神・淡路大震災を彷彿とさせる被災状況の中で、医療や警察(交通誘導)、水道等、他分野においても全国各地からの支援隊が活動する姿が多く見られ、支援体制の頼もしさを感じた。

 ・大都市が下水復旧を目指し、オールジャパンで取り組んでいる雰囲気があった。

 ・通常業務では直接、住民の方から感謝されることはまれであるが、金沢市内の売店や宿泊施設の方らから、感謝と励ましの言葉をいただき、あらためて自分の仕事の重要さを認識し、誇りを持つことができた。

 ◆岡山市 支援に入った都市=小松市

①第1次1月11~15日(4名)管路一次調査

 第2次1月15~17日(2名)管路一次調査

 (第1次のうち1名岡山帰庁、2名追加で計5名派遣)

 第3次1月23~27日(2名)管路二次調査

 第4次1月26~30日(2名)管路二次調査

 第5次1月29日~2月2日(2名)管路二次調査

 第6次2月1~5日(2名)管路二次調査

②〇下水道管の一次調査

 小松市の一次調査延長は56.2km(うち岡山市25.2km)

 〇下水道管の二次調査

 二次調査対象延長は約5.6km(うち岡山市約1.6km)

③・天候に恵まれず、日進量が低下気味であった(現地作業は屋外、調査票記入の事務作業は車内で行う必要があり、作業効率が低下した)。

 ・熊本地震では、調査前後の全体会議で調査要領の共有が可能であったが、支援部隊が多方面に展開したため、対面での全体会議がなく、日々の調査方針などの確認・方向修正に若干ロスが発生した。

④1月29日現在も小松市で二次調査を実施中

 【帰隊した職員からの感想】

 ・小松市職員の受援体制・応対の充実に感動した。また、現地調査中、地元の方に感謝され、温かいコーヒーを出していただき、北陸の方の温かさを肌で感じた。

 ・時期的に晴天の日が少なく、雨や雪の日が多い中での調査が続くことから、気候、天候に対応できるような事前準備等が必要であると感じた。

 ◆広島市 支援に入った都市=金沢市、小松市

①第1次1月11~15日(4名)管路一次調査

    1月11~18日(4名)管路一次調査、1.5次調査

 第2次1月19~29日(2名)管路1.5次調査、二次調査

    1月23~29日(2名)管路二次調査

③・これまでの災害対応では、大都市ルールに基づき大都市への支援へ入ることが多かったため、一般市への応援ということで管路台帳システムであったり、被災自治体の関与であったり、これまでとは違う枠組みの中でのやりにくさもある。そうした中、大都市の各都市が率先して活動に取り組んでおり、大都市としての役割の重要さを再認識した。

 ・全国ルール、大都市ルールにより日頃から防災意識が醸成していたことで、今回、各都市がこれだけ迅速に対応できているのではないかと思う。(これまでの災害経験が全国の下水道関係者でしっかりと生かされていると感じた)

 ・金沢市では、用意された管路台帳がA3サイズの紙のみで、調査ルート選定のための図面貼り合わせ作業が生じたほか、張り合わせた図面が雨や雪で濡れるなど、現地での作業にも苦慮した。このため、タブレットでの台帳管理など、DX技術の導入が効率的な支援につながる可能性を肌で感じた。

 ・受援都市(一般市)と支援都市(大都市)の感覚の違いにより、受援都市のニーズや意思疎通が十分とれず、意思決定が遅れるような場面もあった。災害時は、受援側の体制も重要で、情報統制・連携が作業進捗に直結することから、一般市への大都市の関与方法も再考する必要性を感じた。

 ・降雪や路面凍結などがあると、作業効率が下がり、復旧スピードが遅くなることから、悪天候時の作業も考慮し、今後の支援・受援体制を構築する必要があると感じた。

④1月28日現在も金沢市、小松市で二次調査を実施中

 【帰隊した職員からの感想】

 ・今回の支援経験を踏まえ、支援を受ける側の立場に立って今後の受援計画の見直し等に生かしていきたい。

 ・同様の被災が起こらないことを願っていますが、仮に本市あるいは他都市で同様の被災があった際には、今回得られた経験を生かしたい。

 ・余震を体験したり、浮上したマンホールを目の当たりにするなど、文献や写真では伝わらない緊迫感を肌で感じ取ることができた貴重な経験となった。また、余震が続く中、支援の重要性を理解し送り出してくれた家族にも感謝したい。

 ・災害派遣は初だったが、余震などの不安がありながら被災地で生活、支援活動をすることの難しさ知ることができた。

 ・地元の方にとても感謝されエナジーをもらったため、士気を落とすことなく従事することができた。

 ・「広島からわざわざありがとう」など、市民の人から感謝の声をいただけて励みになった。

 ・宿泊先のホテルや休憩するコンビニなどの店員さんの協力があり、元気に作業することができた。

 ◆福岡市 支援に入った都市=金沢市

①第1次1月10~17日(4名)管路一次調査

 第2次1月16~24日(3名)管路二次調査

 第3次1月22~31日(予定・3名)管路二次調査

②〇下水道管の一次調査

 金沢市の一次調査延長は約237km(うち福岡市約34km)

 約300個のマンホール蓋を開閉し、被害状況の確認・記録を実施

 ※札幌市、仙台市、広島市、北九州市、熊本市と共同で実施(6都市9班で16地区調査)

 〇下水道管の二次調査

 金沢市の二次調査対象延長は約34km(うち福岡市約8km)

 一次調査により異常が確認された管路を対象に、日本下水道管路管理業協会とともにTVカメラ調査にて被害状況を詳細に確認・記録

※札幌市、仙台市、岡山市、広島市、北九州市、熊本市と共同で実施(1月25日時点で、7都市10班で調査中)

③・雪の中での運転や調査は慣れておらず、注意深く行った。

 ・金沢市中心部では地震被害があまりないように見えたが、海岸沿いの地区など一部地域では液状化によるインフラ被害が見られた。

④1月25日現在、3陣が熊本市などと連携しながら二次調査を実施中

 【帰隊した職員からの感想】

 ・慣れない土地で、寒く、雨も多い中、約300個のマンホール蓋を開けたが、旧式の重い蓋もあり、最後は腰にきた。

 ・地元の方に、被災されてご自身が辛い中、労いの言葉をいただいたり、手を合わせられるなど、感謝され、逆に元気をもらった。

 ・他都市の人も頑張っており、刺激をもらって、頑張れた。

 ・昼食時に、福岡から来ていることに気づいたラーメン店の方から、ワンタンをサービスしていただいた。

 ◆熊本市 支援に入った都市=金沢市

①第1陣1月11~16日(10名)管路一次調査

 第2陣1月16~24日(4名)管路二次調査

 第3陣1月24~30日(4名)管路二次調査

②〇下水道管の一次調査

 金沢市の一次調査延長は約236.8km(うち熊本市約44.3km実施)

 〇下水道管の二次調査

 二次調査対象延長は約31.8km(うち熊本市約9.1km)

③・金沢市の被災状況は、能登半島エリアとは違って局所的な被災状況であったものの、調査結果ではマンホール内の滞水が多く見られ当初の印象以上に被災路線はあった。

 ・今回、熊本市は支援6都市のリーダーであったが、県本部と金沢市と調整を図り、6都市の皆さまからの非常に強力的なチームワークとご協力により一次調査を進めることができた。なお、金沢市では、上水道は一次調査期間中に復旧完了と聞いており、この時点で、金沢市民の皆さまに汚水の使用制限はない。

④・一次調査を実施中に公用車ワイパーに地元の方から「遠いところからの支援ありがとう」という感謝文を置いていただき、隊員は元気をもらった。

 ・他都市の人の頑張りや前向きな姿勢が刺激となり、より一層気合が入った。


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