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点検調査事業の拠点に NJS、羽田に新ビル マイクリップに追加

2023/03/01 産業 企業
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  • 水上走行ドローンのデモ
  • 屋上一面に太陽光パネル

開発加速、環境にも配慮

 NJS(村上雅亮社長)は2月1日、インスペクション(点検・調査・診断)事業の拠点として立ち上げたNX羽田ビルをメディアに公開し、設計コンセプトや各種設備を説明した。ビルには同社のグループ企業が入居し、下水道の管路・水槽を再現した地下の実験施設を活用しながら、ドローン調査や非破壊検査などの技術開発・事業展開に取り組む。環境先進ビルという側面もあり、ZEB認証やBELS評価で高い省エネ性能が裏付けられている。

 説明に立った村上社長は、高度経済成長期の終わりとされる1973年から50年が経った今、ますます本格化するインフラのリニューアルにおいて「新たな価値観や社会的要請に対応できるビジョンやマネジメントが求められる」と強調。既存のインフラを生かすためには現状の把握が欠かせず、点検・調査・情報管理へのニーズが高まることを見越してインスペクション事業に注力しているとした。

 その拠点となるNX羽田ビルは、空港や幹線道路へのアクセスに優れた大田区羽田旭町に設置された。3階建ての建物はシステムや装置の開発・実験機能を備えており、ドローンを手掛けるFINDi(ファインドアイ、稲垣裕亮社長)と、非破壊検査サービスに取り組む日本X線検査(徳永辰博社長)が事業を進めている。説明会では実験施設を使い、一度に最大500mを自走する水上走行ドローンと、複数のカメラを搭載して液相・気相の両方を撮影できる水中ドローンのデモが行われた。

 もう一つの設計コンセプトとなる“環境先進ビル”については、一昨年の創立70周年に当たり「創業以来の水と環境への精神・スピリットを新たな拠点でも表したい」(村上社長)との思いを込めたという。屋上での太陽光発電をはじめ、構造材等の工夫で建物の断熱性・遮熱性を高め、設備にはできる限り省エネ性の高いものを採用。国産の木材を積極的に活用することで、製造時のCO2排出量も削減した。空調や照明などの制御でもエネルギー消費を抑え、全体の発電・使用状況はBEMS(ビル・エネルギー管理システム)でモニタリングする。

 こうした高い省エネ性能により、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)では最高ランクの星五つの評価を受けた。また、従来比で消費エネルギーを75%以上削減した建物として「Nearly ZEB」の認証も取得している。


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