光硬化工法 700社超一大組織に 設立20年の節目に式典開催、中小口径更生で業界最大手 マイクリップに追加
光硬化工法協会(LCR、大岡太郎会長)は7日、協会設立20周年の節目を祝い記念式典を都内で開いた。全国の有力会員企業のほか、国会議員、国、公的団体関係者ら計約200人が参集し、管更生業界有数の団体に成長するに至ったこれまでの協会の足跡を振り返るとともに、管更生業界内でのさらなるシェア拡大へ協会、会員、メーカーでビジョンを共有した。
光硬化工法協会は、平成14年に光硬化工法(インパイプ工法、シームレスシステム工法)を取り扱う会員数約350社の業界団体として発足。その後、平成25年には現場硬化型タイプの更生材として日本下水道協会の認定工場制度への適用するなど更生工法の至上命題である品質確保をリード。平成27年には施工性を飛躍的に高めた新たな光硬化技術(アルファライナー工法)を導入し、施工実績は拡大路線で推移。
また令和3年度には本管・取付管修繕技術を保有するFRP工法協会と大同団結するなど管路更生・補強ソリューションを一挙に手がける一大組織へと上り詰めた。昨年末時点で、会員数は設立当初の倍の728社、施工総延長は本管1296km、単年度実績では昨年度は144.5kmと中小口径をメイン市場とする管更生団体では実績、会員ネットワークとも最大手となった。
20周年式典では、冒頭、大岡会長が「初代会長である故・大岡伸𠮷氏(東亜グラウト工業創業者)が単身海外に赴いた先で惚れ込んだのが光硬化工法。その技術の国内導入、普及に当たっては提携先のメーカー、国内で施工を一緒に手掛けてくれた企業、さまざまな人の協力があって今日を迎えられた。この会はそうした方々への感謝の会としたい」と述べるとともに、今後の協会ビジョンとしてより地域に根差した活動に注力していく考えに言及した。
記念表彰では、協会発展に尽力・貢献してきた9地域支部の各支部長、アルファライナー工法開発元のリラインヨーロッパ社に感謝状が手渡された。受賞者を代表し、中国四国地域支部の菊池英夫支部長は「初代会長は設立当時から『光は一級品』と力説してきたが、会員数、実績がその証。下水道管路の老朽化が進展し需要が高まる中で会員一同で団結し、業界をけん引する存在を目指したい」と力強く語った。
額賀議員ら国会議員も駆けつけ
式典には、自民党の下水道事業促進議員連盟の会長を務める額賀福志郎衆議院議員、同議連の事務局長を務める田村憲久衆議院議員、小渕優子衆議院議員、津島淳衆議院議員ら多数の国会議員がお祝いに駆けつけた。
あいさつに立った額賀会長は、大岡伸𠮷初代会長とのエピソードを披露しつつ「(現会長の)太郎さんには、お父さんに負けないで、しっかりと今後の発展の土台を作っていっていただきたい。未来に向かって前進していく、チャレンジ精神を持って頑張ってほしい」と協会のさらなる発展を期待した。
また、下水道政策、議連運営の今後の方針についても言及。下水道政策については「経済状況は停滞している。今が背水の陣」と社会環境と下水道管路をはじめとするインフラ老朽化の状況に触れ、カーボンニュートラルやデジタル化の推進など国が取り組む重点施策について「インフラがしっかりしていなければ成功しない」とし、議連として管更生の現場の声を重視していく考えを強調した。
議連運営については、歴代の会長を務めた田村元氏、小宮山重四郎氏、村岡兼造氏、綿貫民輔氏らの功績に触れながら「下水道議連は歴史のある議員連盟。しっかりと、現職の若い人たち、力のある田村(憲久)先生クラスの大臣経験者に引き続いてサポートしてもらい、そしてまたリーダーとしてやっていただけるような環境もつくっていきたい」と述べ、会長職を田村事務局長に引き継ぐ可能性を示唆するとともに「土台、技術革新を支えていきたい」と、今後の活動に意気込みを示した。