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2023年111日 (水) 版

下水サーベイランスの未来展望 JWWSA・設立講演会、産官学で知見共有 マイクリップに追加

パネルディスカッションの模様

 一般社団法人日本下水サーベイランス協会(会長=村上雅亮NJS社長、JWWSA)は12月21日、京都市内で設立記念講演会を開催、会場、オンライン合わせて288人が参加した。

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  • 村上会長
  • 遠藤氏
  • 西村副部長
  • 遠藤課長

 冒頭、村上会長は、下水サーベイランスはウィズコロナ社会に必要な手法になるとしつつも、「得られた情報を感染対策に変換するためのプラットフォーム構築などまだまだ課題もある。欧米の事例を参考にしながら、わが国における下水サーベイランスを確立させていければ」とあいさつ。

 特別講演として、京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センターの遠藤礼子招聘研究員が「パンデミックに備える社会インフラを築けるか―海外における行政と民間企業の下水疫学ビジョン」と題し、ストックホルムにおける渋滞緩和事業の成功事例や欧米諸国における下水サーベイランスの事例を挙げ、今後の日本における下水サーベイランス事業やJWWSAの発展に向けて示唆に富んだ内容を発信した。

 続いて、京都府政策企画部の西村敏弘副部長が「社会のトランジションに貢献するメタAI融合スマートシティに向けて」、京都市保健福祉局健康長寿のまち・京都推進室介護ケア推進課の遠藤洋一課長が「京都市における下水検査を活用した高齢者施設等のモニタリングの取組」と題し、取組み成果を共有した。また、会員企業のAdvanSentinel、管清工業、日水コン、島津テクノリサーチ、JNCから講演が行われた。

 パネルディスカッションでは、金沢大学地球社会基盤学系の本多了教授の進行の下、京都大学の遠藤氏、京都府の西村副部長のほか、北海道大学大学院工学研究院環境工学部門の北島正章准教授、塩野義製薬ヘルスケア戦略本部新規事業推進部の小林博幸部長が登壇し、下水サーベイランスの社会実装に伴って生まれてきた課題の整理と今後の展望をテーマに議論が展開された。

 本多教授は、「下水サーベイランスはあくまで手段。大切なのは、どのようなソリューションを提供できるのか。JWWSAが技術やデータコミュニケーション、リテラシーを底上げするような役割を果たせれば」と締めくくった。


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