地域の感染症対策に貢献 高知大学、内閣官房実証事業に採択 マイクリップに追加
高知大学教育研究部自然科学系農学部門の井原賢准教授らによる高知県と高知市における下水疫学の実証事業が、内閣官房「ウィズコロナ時代の実現に向けた主要技術の実証・導入に係る事業企画 下水サーベイランスの活用に関する実証事業」に採択された。
同事業は、下水サーベイランスを地域の新型コロナウイルス感染症の対策に役立てる目的で実施、6月末に全国20の自治体が採択され、事業がスタートしている。
井原准教授は、河川や湖沼に流出した医薬品成分や病原微生物に着目し、ヒトや生態系への被害が顕在化する前に予防的対策を講じるため、生物学、水産学、分子生物学など幅広い分野の研究者と協力し、ヒトおよび生態系を守る研究を進めてきた。
実証では、令和4年7月~令和5年1月までの期間、高知大学、高知県、高知市、NJS、島津テクノリサーチの共同体が、高知市における下水サーベイランスによる新型コロナウイルス感染状況の把握に取り組む。高知県が管理する高須浄化センター、流域幹線境界マンホール(南国市、香美市との境界点)、高知市が管理する下知水再生センター、潮江水再生センター、瀬戸水再生センター、市内繁華街のマンホール等を実証フィールドに、迅速に結果を出すための体制構築や下水サーベイランスの活用方策の検討などを実証テーマとしている。
今後は同事業を通して、これまで積み重ねてきた知見や研究成果を生かし、今後の感染症対策における下水サーベイランスの活用を目指すという。