OD法のあり方を議論 21世紀水倶楽部、研究集会を開催 マイクリップに追加
21世紀水倶楽部(栗原秀人理事長)は1日、都内で研究集会「OD法こと始め~OD法の計画設計の確立期とその変遷~」を開催、会場およびオンラインで120人以上が参加した。
冒頭、栗原理事長が国内におけるオキシデーションディッチ法(OD法)普及までの経緯を紹介した後、「当倶楽部では、小規模下水処理場分科会を立ち上げ、OD法に焦点を当てて、維持管理方法の改善や改築更新の留意点などを議論してきた。今回の研究集会を第1弾として、OD法のバックグラウンドを明らかにしていきたい」と期待を込めた。続いて、小規模下水処理場分科会長を務める高橋正宏理事がOD法開発の歴史や概要を紹介した上で、今後の方向性について問題提起した。
事例報告では元苫小牧市副市長の中野裕隆氏が「苫小牧市におけるOD法の導入経緯と運転経験」、積水アクアシステムの木全隆氏が「日本下水道事業団におけるOD法技術評価の経緯」、極東技工コンサルタントの中沢均氏が「日本下水道事業団におけるOD法設定基準類の変遷」と題した発表を行った。
中野氏は、苫小牧市におけるOD法導入の理由、導入に向けた実験の成果を紹介した後、同市でOD法の導入が成功した理由の一つとして、技術の独自性を挙げた。
木全氏は、日本下水道事業団(JS)勤務時を振り返りながら、昭和40~50年代のOD法の状況やJSにおける小規模下水処理方法による調査研究、OD法の技術評価について紹介した。
続く中沢氏もJSでの取組みを振り返りながら、OD法の技術評価で明らかになった知見を紹介した上で、OD法の課題を整理した。
質疑応答に続いて、高橋理事の司会の下、持続可能なOD法のあり方をテーマに、総合討論が行われた。中野氏は「人に頼らず、自分事として考えることが重要」、木全氏は「技術の原点がどこにあるか考える必要がある」、中沢氏は「過去と現在の価値観の違いをしっかりととらえるべき」と持論を展開。高橋理事は「地域の事情を考えながらさまざまな工夫をしていく必要がある。そのヒントとなるよう、当分科会でさまざまなデータや意見を集めていきたい」と締め括った。
次回のOD法に関する研究集会は11月以降に開催予定。