高強度・供給安定化を追求 東亜グラウト工業、アルファライナーH普及へ マイクリップに追加
東亜グラウト工業(山口乃理夫社長)グループは、欧州最新の更生技術「アルファライナーH工法」の普及に乗り出す。昨年度末に日本下水道新技術機構の建設技術審査証明(基準達成型・開発目標型)を取得しており、今後、光硬化工法協会での取り扱いを目指す。
アルファライナーH工法は、光硬化プロセスを用いた形成工法に分類される管きょ更生技術。初代インパイプ工法から数え、4代目の光硬化工法となる。更生材自体の製造プロセスや構造自体は現アルファライナーと同様で、光硬化性樹脂を含浸させた耐酸性ガラス繊維をらせん状に積層することで円筒成形する。更生管厚についても1mmごとに製造が可能。
更生材の基材であるガラス繊維の仕様を変更して強度を向上させており、長期曲げ弾性率で約1.2倍(1万2000MPa)の開発目標を達成している。条件によっては現アルファライナーよりも更生管厚を薄肉化できるケースが見込まれる。
強度向上に伴い、適用範囲もφ900まで拡大している。標準的な施工モデルとして、φ800の既設管を更生する場合、100m程度であれば1日1現場施工が可能だという。
新工法導入の狙いの一つに材料供給の安定化がある。アルファライナーH工法に採用している耐酸性ガラス繊維は現在、ドイツ、インド、アメリカ、日本の4拠点で取り扱うなどグローバルスタンダードの材料となっている。海外各エリアの需給バランスに応じ、材料を融通し合うことも想定できるとしており、調達面でも強みが発揮されるものとみられる。
今後、普及団体である光硬化工法協会で取り扱い、日本下水道協会の認定工場制度への適用、Ⅱ類資器材登録も目指していく。