管路管理研究開発施設が開所 管清工業「厚木の杜 環境リサーチセンター」 マイクリップに追加
地域に根付く拠点として
管清工業(長谷川健司社長)は12日、厚木市内に研究開発施設「厚木の杜 環境リサーチセンター」をオープンした。
同施設は、災害時の避難場所・支援ベースキャンプ、下水道の未来に向けた研究・技術開発と歴史紹介、自然と触れ合える場所の提供の三つの役割を持つ。敷地面積は3万300㎡(約9160坪)で、管路管理の歴史が学べるミュージアム「長谷川記念館」のほか、直径1500mmの下水道管の中を探検できる施設や森の中を散策する遊歩道、ビオトープなどが整備されている。
長谷川記念館では、長きにわたって管路管理で開発・使用されてきた機材を展示しているほか、管路管理の歴史についてパネルや動画で解説を行っている。展示スペースのほかに研究・研修棟があり、管路管理における研究開発や技術向上を目指したトレーニングを行うことができる環境が整備されている。
また、施設全体が災害対応施設となっており、非常用発電機、井戸が設置されているほか、仮設マンホールトイレも備蓄され、地域の防災拠点としての機能を持つ。
同日には、オープニングセレモニーが行われ、厚木市産業振興部の髙橋幸雄部長、日本下水道協会の岡久宏史理事長らが来賓として出席した。司会は、2022ミス日本「水の天使」の横山莉奈さんが務めた。
冒頭、長谷川社長は晴天を喜びつつ、約3年を要した施設完成までの経緯を紹介。「多くの方、特にハンディキャップを背負った人にも、この施設を通じて下水道を見て、聞いて、触ってもらうことができる活動を行いたい。下水道事業のエッセンシャルワークという側面だけにとどまらない、社会への貢献も発信したい」とあいさつした。
来賓を代表して、厚木市の髙橋部長は小林常良市長のあいさつを代読。同施設について、「下水道整備の前進に向けた新たな拠点の一つとなることに期待したい」と述べた上で、「本施設では、防災・減災、災害支援に関する調査が行われると聞いている。防災・減災のまちを目指す当市にとって大変心強い。これからも手を携えながら輝かしい未来に向かって共に進んでいきたい」と意気込んだ。
下水協の岡久理事長は「素晴らしいのは、企業PRの施設ではなく、下水道業界、ひいては地域、社会のためになる施設であるということ。長谷川社長の実行力と社会貢献への心意気に心から拍手を送りたい。施設が有効活用され、地域から愛される存在になってほしい」と期待を込めた。
続いて、長谷川社長、岡久理事長、髙橋部長、小島組の小島正也代表取締役社長、「水の天使」の横山さんによるテープカットの後、長谷川社長の案内で内覧会が行われた。
今後は、「水の庭」をコンセプトにした管状のトイレと同社の業務をイメージした広場を造作するほか、2024年をめどに本棟の建築着工を予定している。