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2022年420日 (水) 版

脱炭素技術が続々 JS・新技術Ⅰ類、新規4技術を選定 マイクリップに追加

 JS日本下水道事業団は、民間企業や自治体と共同開発した新技術Ⅰ類に▽過給機を用いた流動床炉向け省電力送風装置(流動タービン)▽噴射ノズル式鋼板製消化タンク▽ディスク式特殊長毛ろ布ろ過装置▽初沈代替高速ろ過システム――など、省・創エネを通じ脱炭素に貢献する4技術を選定した。

 過給機を用いた流動床炉向け省電力送風装置(流動タービン)は、愛知県、メタウォーター、クボタとともに開発したもの。流動床炉に燃焼空気を送る経路内に「過給機」を組み込むことで、約4割の省エネ化を実現した。新設・増設や空気予熱器の更新に合わせた改築事業でも適用が可能で、流動床炉の消費電力や温室効果ガス排出量の削減を検討している処理場での活用を推奨している。

 噴射ノズル式鋼板製消化タンクはJFEエンジニアリング、フソウとともに開発したもの。地溝構造物が不要、工場製作が可能などコストダウンと工期短縮を図れる「鋼板製消化タンク」、異物が絡みづらく、低回転でも撹拌効率が高いため維持管理が容易で省エネルギーの「後退翼型撹拌機」、堆積物を流動させ、系外に除去させる「堆積物除去機構」を組み合わせた消化システムとなる。

 ディスク式特殊長毛ろ布ろ過装置は、メタウォーター、前澤工業とともに開発したもの。表面にろ布を施した円形の「ディスクろ過媒体」を並列に配置し、ろ過面積を大きくとることで省スペース化を実現したもの。重力式ろ過を活用するなどし、消費電力を小さくしたほか、既存の施設躯体も利用可能。従来の急速ろ過と比較して、同等のSS除去性能を有している。

 初沈代替高速ろ過システムは、名古屋市、メタウォーターとともに開発したもの。最初沈殿池の代替として専用の浮上ろ材による上向流式の高速ろ過を行う技術。単位面積当たりの処理水量が大きく、従来の最初沈殿池に比べて施設面積が縮小可能であるほか、SS・浮遊性BODの除去性能が向上している。また、雨天時増水に対応して、簡易沈殿処理に比べて高い除去性能を有すほか、新増設および既存の初沈躯体を改造した適用が可能である。

 JSでは、地方公共団体の多様なニーズに応える新技術を積極的に下水道事業へ活用する観点から、受託建設事業に新技術を円滑に導入することを目的として、同制度を運用している。


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