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2022年223日 (水) 版

熊本県初の下水洗浄実績 アイスピグ、合志市MP圧送管洗浄 マイクリップに追加

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  • 回収したアイスピグ
  • 自治体関係者が視察

 合志市が発注したマンホールポンプ場圧送管洗浄業務委託にて、アイスピグ管内洗浄工法が採用された。洗浄延長450mかつ曲管部を含む圧送管の洗浄作業を短時間で安全に配慮しながら実施。洗浄後にマンホールポンプの送水流量が約2割回復するなど維持管理面で効果が確認できた。熊本県内では同工法による下水圧送管洗浄は初。

 現場は、同市栄地内の村下マンホールポンプ場から送水を受ける下水圧送管路(ダクタイル鋳鉄管、φ75)で、洗浄対象距離は450mほど。東亜グラウト工業が同市より業務を受託した。

 この日の洗浄作業のために設置した製氷プラントにて特殊アイスシャーベット4.4t分を製造。注入口から全量を注入し、圧力管理に細心の注意を払いながら回収口側へと押し流し管内洗浄を試みた。

 回収口に設置した洗浄効果確認用のアクリル配管には、茶色く濁ったアイスシャーベットが流入。油分等の汚れを多く含んだ状態であったという。事前準備等を除き、管内洗浄作業自体は1時間程度で完了した。

 洗浄前後のマンホールポンプ運転時の流量変化については、洗浄後に約21%増の流量回復がみられるなど、早速洗浄効果が確認できた様子。流量の回復によりマンホールポンプ運転回数の減少につながりランニングコスト低減が見込まれるほか、ポンプ自体の延命化にもつながるなどLCCで見てもメリットが見込まれる。

 アイスピグ管内洗浄工法は、特殊製法のアイスシャーベットをピグとして用いる管内洗浄工法で、管壁に付着した油分、バイオフィルム、その他夾雑物を効率的に除去することができる。口径変化や伏越し管にも対応するほか、管内に堆積した夾雑物の性質や状況を考慮し、含氷率をカスタマイズすることも可能。昨年末時点で上下水道および民間施設など合わせ286件、157.4kmもの洗浄実績を有す。昨年6月にアイスピグ九州地域協会が発足したことを契機に、九州各県で提案活動を強化している。


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