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2021年128日 (水) 版

社会インフラ貢献技術 174社・団体が出展 建設技術展近畿、大阪で開催 マイクリップに追加

2021/12/08 産業 製品・技術

更新・防災・ICT、一堂に

 10月27、28日の両日、公共施設の建設に関する新技術・新工法の展示会「建設技術展2021近畿」がインテックス大阪で開かれた(主催=日刊建設工業新聞社、近畿建設協会)。施工をはじめ維持・更新、防災、IT・ICTなどのゾーンが設けられ、企業・団体が174のブースを出展。上下水道関係の企業・団体も多数参加し、水分野に限らず、社会インフラに貢献する幅広い技術を披露した。

消火配管用ダクタイル鉄管

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 栗本鐵工所は、日本ヴィクトリックと共同開発した「トンネル内消火配管用ダクタイル鉄管」を出展。延長の長いトンネルには消火栓を一定間隔で設置する必要があり、側面などで露出配管が行われる。栗本鐵工所の製品はこの消火配管に用いるもので、ハウジング方式の継手(ヴィクトリックジョイントNCー2型)の採用により施工性に優れ、配管・更新・修繕を容易に実施可能。ハウジングの形状やそれと密着する管の凸部の形成方法などに工夫を凝らし、離脱防止性能・止水機能の向上も図った。

 最高使用水圧は2.0MPaで、下水道や工業用水道などの用途にも対応する。呼び径は150~350の5サイズをラインナップし、45度・90度の曲管やT字管なども用意した。直管の内面塗装はモルタルライニングとエポキシ樹脂粉体から選択できる。

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橋梁用伸縮装置

 日之出水道機器は、橋梁用伸縮装置「ヒノダクタイルジョイントα」やグレーチング「GRシリーズ」など、マンホール蓋領域で培ってきた技術を応用した各種製品を出展した。気温変化に伴うコンクリートの変形等を吸収するため、橋桁の間などには伸縮装置が設置されるが、その破損は上部通行車両のパンクやスリップ、騒音、漏水による橋梁本体の劣化につながる。

 ヒノダクタイルジョイントαの開発に当たっては、日之出水道機器のダクタイル鋳鉄に関する設計・製造力、マンホール蓋を応用した「すべり抵抗性模様」などの技術を活用し、伸縮装置に求められる耐久性・水密性・走行安全性・維持管理性の四つの性能を追求。製品試験においてはマンホール蓋で蓄積した技術検証力が生きた。

 道路脇の側溝や集水ますなどに使われるグレーチング(蓋)でも、スリップやがたつきの防止、製造・試験などの技術を応用したGRシリーズを展開している。中でも「GRーU」は、蓋と枠を一体化させ、あえて蓋が開かないようにすることでがたつきが起こらない画期的な構造。近年の高圧洗浄技術の向上を踏まえて開発したという。

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 スワエール協会は、池状構造物の内面防食などに用いる「スワエールスプレーシステム」をPRした。ポリウレア樹脂をスプレーで吹き付けて生成する被膜は、よく伸びるためクラックへの追従性が高い。水道施設などの上水用途ではこの20年で1000件ほどの実績があるが、耐久性に優れるため施工後の改修は少ないという。

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 東亜グラウト工業は、落石事故を防止する「リングネット落石防護柵」、流下土砂を捕捉する「インパクトバリア」などの防災技術と併せて、上下水道分野で採用実績を大きく伸ばしている「アイスピグ管内洗浄工法」を紹介。地盤改良・斜面防災に続く同社第3の柱として、管路事業の広報普及に今後も力を入れていくという。


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