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管路包括の最新知見 管路協・管路管理セミナー、富士市・青梅市が発表 マイクリップに追加

2021/12/01 産業 業界団体

委託・受託者双方の視点で

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  • 長谷川会長

 日本下水道管路管理業協会(長谷川健司会長)は、11月17日に東京証券会館で令和3年度下水道管路管理セミナーを開催。会場とオンライン配信併用で実施した。

 管路ストックの老朽化進行に伴う維持管理業務の増大、地方公共団体の下水道職員減少などの厳しい事業環境を打開する一手法として注目を集め、近年導入事例が増えつつある「管路施設の包括的民間委託」をテーマに実施したもので、委託者と受託者の双方の立場から管路包括の現状と課題等について発表された。

 冒頭、長谷川会長は、これからの管路管理のあり方として、不測の事態を想定し、リダンダンシー(冗長性)を取り入れることや、予防保全を行う有効な手法として包括的民間委託の導入を視野に入れてもらうことを呼びかけた。

 講演では、はじめに国土交通省下水道部下水道企画課の斎野秀幸企画専門官が施策動向を紹介。下水道職員数はピーク(平成9年)の約6割まで減少していること、令和元年度末時点で50年経過管路が2.2万km(5%)に達しており今後急速に増加することを解説。一方、経営環境としては節水機器の普及や将来的な人口減少に伴い使用料収入の減少が懸念されるとし、人・モノ・カネのリソース不足を補完する仕組みや取組みが求められるとした。

 その一方策として官民連携事業の導入支援を制度面・財政面から進めているとし、その一例として令和2年3月発行の「下水道管路施設の管理業務における包括的民間委託ガイドライン」の概要や改正内容を紹介、その活用を促した。

 次に管路施設の包括的民間委託の導入事例として、富士市について、委託者側として富士市上下水道部下水道施設維持課の佐野和史統括主幹が第4期包括的民間委託での導入効果の検証を、受託者のふじのくに下水道管理業協同組合から阿部めぐみ氏が同組合の設立からJV内での連携について講演。

 また青梅市について、青梅市環境部下水管理課の鈴木貴志管理係長が点検やスクリーニング・TVカメラ調査といった委託業務の内容を紹介。受託者の管清工業からは、深谷渉技術部長が青梅市の包括委託の特徴と包括委託を行う上でISO55001認証取得などの同社が行う包括委託における取組みを解説した。

 最後に、日本下水道新技術機構研究第二部の永田有利雄部長が包括委託導入に向け、同機構で行っている包括委託の導入検討、発注支援と履行監視・評価の業務内容と、調査・検討例を紹介した。


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