クラスター未然防止へ 島津テクノら、早期検知サービス開始 マイクリップに追加
サンプリングの模様
NJS子会社の水道アセットサービス、ブレス(大阪市)、島津テクノリサーチ(京都市)の3社は、新型コロナウイルス感染症の早期検知サービス(HPーTest)を共同で開始した。
集合住宅などの民間施設を対象に下水排水を採取しPCR検査を行うことで、施設内での新型コロナウイルス無症候性感染者や発症前の症候性感染者を早期に発見し、クラスター発生の未然防止へとつなげる狙い。下水中のウイルス遺伝子検査を行うことで感染者を早期発見する研究(下水疫学)が加速する中、その研究成果の社会実装ケースとして注目を集めそうだ。
HPーTestでは、島津テクノリサーチが大学研究機関からの技術指導の下で開発した2階建て検査システム(京都モデル)を採用。検査の流れとしては、まず定期的に施設内の下水管から下水を採取しPCR検査をスクリーニングとして実施する。検査の結果、陽性となった場合、施設の全入居者に対し個別のPCR検査を別途提案することで感染者の特定へとつなげる仕組み。利用者からの要望に応じ、施設の消毒・清掃・クリーニングの手配も受ける。
水道アセットサービスはサンプリングの計画策定を、ブレスは営業・受付窓口・検査検体サンプリングの採取を、島津テクノリサーチはサンプリングツールの提供およびPCR検査を担当する。対象施設としては、医療機関、介護施設、集合住宅(マンション・寮等)を想定している。
なお、京都モデルについては、京都府・京都市の協力の下、京都市内の施設で実証試験を行い導入効果を確認しているという。