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NJSら、点検ドローンで新機種「Fi4」発表 耐久・操作性向上 マイクリップに追加

2021/06/16 産業 製品・技術
現行機種で得られた知見ノウハウを基に改良

 NJS(村上雅亮社長)は5月31日、自律制御システム研究所(ACSL)と共同で報道陣向けの説明会を開き、地下閉鎖空間用ドローン(Air Slider)の後継機となるFi4を発表した。過酷な調査環境に耐えるよう機体構造の刷新を図ったほか、ユーザビリティの向上を目指した新機種。ドローンサービスに特化した新会社「FINDi」で取り扱う。

 現行機種の「Air Slider(AS400)」は、NJSとACSLが共同開発した閉鎖空間での点検調査に特化したドローン。「早く・安く・安全に」をコンセプトに平成29年に試作機を開発。自治体との共同研究や現場実証を重ね、改良を続けてきた。

 新機種「Fi4」はこれまでの現場運用で得られた知見を基に開発。コンセプトはそのままに再度設計を見直した機体。ボディはフルカーボン製で組み上げ耐久性・軽量性を向上させたほか、防塵・防水性能を強化。より過酷な環境での運用に適したものとした。機体構造は3分割とし、分解整備などのメンテナンス性も向上させている。調査可能延長は現行機種と同様で、φ400で100mが目安。給電方式は着脱可能なカートリッジ式に変更、連続的な調査にも対応できるようにした。

 飛行安定性については機体左右に取り付けた光センサにより既設管本体の中心に調整する自動制御機能を搭載。機体操作用の専用アプリケーションを用意しており、操作性向上と操作難度の簡易化を図っている。機体に取り付けられた映像記録用カメラは4K画質対応かつ手ブレ補正機能を搭載しているほか、管内部の映像をリアルタイムで確認できるなど、管内調査技術として一段と進化を遂げた。

 NJSの村上社長は、「高度経済成長期のインフラストックの老朽化、気候変動に伴う災害激化など厳しい環境下、いかに地下施設を効率的に点検調査・診断するかが焦点。この新たな技術がインフラマネジメントに革新をもたらす」と語った。

 Fi4については下水道事業が主なターゲット。汚水・雨水管路の中でも鉄道軌道横断管きょの点検調査での活用を見込んでいる。下水道事業でノウハウを積んだ後は、発電事業(水力発電関連施設)などへの展開も視野に入れているという。ビジネス展開については、原則的にFINDiが調査受託サービスを展開するほか、機体本体のリース事業も視野に捉えている。


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