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下水道機構、耐水化計画手引き公表 実務者向け、国通知補足 マイクリップに追加

 日本下水道新技術機構と民間8社は、「下水道施設の耐水化計画及び対策立案に関する手引き」の暫定版を取りまとめた。令和3年度までの策定が求められている下水道施設の耐水化計画の実務者向け資料としての活用を想定しているもので、国発出の事務連絡で定める事項を補足する形で計画策定手順や留意事項をケーススタディを交え解説している。

ケーススタディ参考に

 共同研究はNJS、オリジナル設計、三水コンサルタント、東京設計事務所、中日本建設コンサルタント、日水コン、日本水工設計らコンサルタントに加え、都市水害解析サービスを手掛けるみずほ情報総研、そして下水道機構の体制で進められた。昨年9月から研究に着手し、今月5日の同機構技術委員会で研究成果の報告が行われた。

 下水道施設の耐水化計画の策定や対策立案に特化した実務者向けの内容で、「総論」「耐水化計画の策定」「耐水化計画策定及び対策立案に関するケーススタディ」「資料編」の章立てで構成される。対象外力や対策浸水深の設定方法、施設間の優先順位付や段階的整備の考え方、対策手法の選定手法等についてケーススタディを交え解説している。それらは、国土交通省下水道部が昨年7月16日付で発出した事務連絡(「下水道の施設浸水対策の推進について」の運用について)で定める耐水化計画の策定で押さえるべき事項(①基本方針②対象施設および対象浸水深③確保すべき機能④実施計画)に対応する形で取りまとめている。

 ケーススタディは、実施設計へのスムーズな移行を見据え、詳細な検討内容や方法を明示している。具体的には、基礎調査として施設諸元や放流先河川情報(雨水ポンプ場)で押さえるべき項目や、浸水想定を行うために必要な資料の入手方法や対象外力の設定方法などを例示。その上で断面・立面図を用いて被害想定(開口部からの雨水流入等)をどのように行うか、その想定をもとに具体的にどの対策(防護壁・止水板・設備高所移転や耐水化)を講じるべきか、経済性・期間・空間制約等の検討項目を踏まえた選定プロセスを詳細に記載している。

 資料編では、耐水化に関する対策メニューの累計分類表や要素技術を一堂に紹介。防護壁や止水板など各メーカーが提示するスペックや単価、留意事項等をまとめた。

 完成版(データ)は4月下旬に同機構会員専用サイトで公表するほか、完成版(冊子)は5月上旬に販売する予定。

 なお、手引きについては、4月下旬に活用講習会をZoomウェビナーにて開催する。詳細は同機構ホームページまで。


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