管きょ異常判定を効率化 JSOL・管清工業、AI活用で事務作業軽減 マイクリップに追加
JSOL(前川雅俊社長)と管清工業(長谷川健司社長)は共同でAI画像認識技術を活用し下水道管きょの異常判定作業の効率化を実現するソリューションを実用化した。今月より管清工業が全国支店で実施する業務運用の中で活用されていく予定。維持管理業務の省力化へ、AI活用の可能性が新たに示された。
膨大な量の下水道管きょを適切に維持管理するため、調査や点検の効率的な実施が求められており、日進量を向上させた各種点検・調査機器が日々登場している。その一方でネックとなるのが点検・調査データを基とした報告書作成作業であり、一般的には現場で撮影したデータを事務所に持ち帰り、撮影画像をもとに一つひとつ異常箇所の判定を行うため、日進量向上に比例し事務作業が逼迫していた。
そこでAI画像認識技術を使い、事務所での異常判定作業の効率化を図ることを考案、両社で昨年より実証実験を行ってきた。
JSOLは日本マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上のコグニティブサービスを活用することで、AIを活用した画像認識システムを構築し管清工業に提供。AI機能導入の際にネックとなる初期学習の負担を軽減するとともに、検査者が見るべき箇所をガイドできるように改良した。また、検査者の意見を反映し、検査を効率的に行えるユーザーインターフェースの開発も手がけたという。
JSOLでは、今回手がけた目視点検業務効率化ソリューションの汎用サービス化を進めたい考え。
管清工業取締役技術部長の飯島達昭氏は「下水道管きょの目視による異常判定作業の効率化は当社の課題であった。JSOLと実証実験を続け、ようやく業務運用で活用できる目途が立った。システムの使い勝手をよくするために、さまざまな工夫と改良を加えてもらい感謝している。今後のサポートについても期待している」と述べている。
